2月24日、政府が推進する「働き方改革」の結果、残業代の減少による消費減退への懸念が一部の政府関係者から出ている。写真は都内で昨年2月撮影(2017年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 24日 ロイター] - 政府が推進する「働き方改革」の結果、残業代の減少による消費減退への懸念が一部の政府関係者から出ている。プレミアムフライデーも始まり、消費活性化・デフレ脱却につなげようと政府は躍起だが、それには企業が生産性向上やコスト削減分を賃金に還元することが必要になるとの声がエコノミストから出ている。

残業制限が収入減に、政府内でも議論

「時間外労働は、一般職の従業員にとっては生活給という一面もあり、それを織り込んだ生活設計を立てている。時間外労働時間の削減は給与減となってしまう」──。

 残業時間の上限を巡って政府内で議論が続いていた昨秋の段階で、ロイター企業調査(2016年11月)に回答した企業からは、このような残業時間削減のマイナスを指摘する声が出ていた。

 ここにきて、政府関係者の一部から生活費の一部に織り込まれている残業代の削減が、果たして働き手のメリットになり得るのか、という疑問の声も浮上してきた。

 政府の「働き方改革実現会議」では、政府案として残業時間の上限を年間720時間(月平均で60時間)とする方向が提示され、企業の中には残業削減に取り組む動きも出てきている。

 これに対し、今月15日の経済財政諮問会議では、民間議員の新浪剛史・サントリーホールディングス社長から「働き方改革を進める上で、ともすれば企業は残業代を減らすことを目標としてしまう。残業代の削減が働き方改革の目的となり、それが社員にとってマイナスになっては、元も子もない」と発言した。

 民間議員の伊藤元重・学習院大学教授は、30代後半から40代の子育て世代の賃金上昇が相対的に鈍く「長時間労働の削減をこれから進めていくとともに、それによって収入が減らないような仕組みの促進を考えていく必要がある」と指摘した。