施工側が在庫を
抱えない物流システム

エコスタイル
管理本部行程管理課 課長
塩見 民恵

1カ月の納品は50〜80案件にのぼる。両社の綿密な打ち合わせで、案件ごとの納品場所・時間、必要車両、搬入車両などが細かく設定される。

 エコスタイルは1カ月に平均50案件、多いときで80案件もあり、数が多いため手配を漏らさずに網羅していくことが大変だという。案件ごとに納品場所や、必要な車両の種類、搬入の方法も違い、納品時間が細かく設定される現場もある。

 エコスタイルの塩見課長は、「お客さまの都合での日程変更はよくあります。その場合は日程調整して、違う現場を先に施工したりするのですが、そんな納品先や分量の変更に対しても、インリージャパンさんは短納期できちんと対応してくれます」と評価する。

 インリージャパンの物流の特長は、自社の倉庫から直接現場に納品するため、施工側が在庫を抱えなくてよい点にある。顧客からの発注を予測し、余裕を持って在庫をしているため、急な変更にも対応できる。

 インリージャパン自身も、通関した製品をコンテナヤードに無料で置くことができる輸入業務の“フリータイム”を最大限に利用するなど、物流コストを削減しつつ出荷から納品までのリードタイムを短縮する努力を行っている。

予測することで
物流の最適化を図る

 「物流で心掛けているのは、お客さまである取引先の担当者と密にコミュニケーションを取ること。担当者の要望を事前に把握できるほど、業務内容を理解することが大切だと考えています」と阪上氏は説明する。実際に、日々目まぐるしく変化する納品の状況を、ある意味でエコスタイルと同等以上に把握している。エコスタイルの塩見課長も、「分からなかったら阪上さんに聞くように」という指示を部下に出すこともあるという。

 インリージャパンの関西支店とエコスタイルの大阪本社は、同じ大阪市中央区にあり、阪上氏と塩見課長は互いの顔を知る距離にある。円滑なコミュニケーションのためには、そんな距離感も大切な要素だ。

 「今後は“助けてください”というお声を頂く前に、トラブルを想定して対処できるよう、安心していただける体制を整えたい。予測できることで物流の最適化を図れれば、コスト面でもさらに貢献ができます」と阪上氏は言う。

 エンドユーザーまで商品を確実に届けることを重要視するインリージャパン。世界で実績がある太陽電池モジュールの品質のみならず、“物流の品質”も高く評価されている。

インリージャパンは決して"NO"とは言わないと、エコスタイルの塩見氏は阪上氏に絶大の信頼を寄せる

 

問い合わせ先
インリー・グリーンエナジージャパン株式会社
ホームページアドレス:http://www.yingli.com/