2月24日、北朝鮮の指導者である金正恩氏と疎遠な関係にあった異母兄、金正男氏の奇妙な暗殺事件には、同国がこれまで海外で実行してきた作戦とは大きく異なる点がある、と専門家は指摘。写真は北朝鮮の工作員だった金賢姫元死刑囚。1987年、大韓航空858便に爆弾を仕掛け、乗客乗員115人全員が死亡した。2009年韓国で撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[ソウル 24日 ロイター] - 北朝鮮の指導者である金正恩氏と疎遠な関係にあった異母兄、金正男氏の奇妙な暗殺事件には、同国がこれまで海外で実行してきた作戦とは大きく異なる点がある、と専門家は指摘する。

 金正男氏は先週、マレーシア首都クアラルンプールの空港で殺害された。警察では即効性の毒物による攻撃を受けたと見ている。当局が実行犯として逮捕した2人の女性のうち、1人はインドネシア国籍、もう1人はベトナムのパスポートを持ち、ともに拘留されている。

 韓国は、金正男氏の暗殺を計画したのは、「偵察総局(RGB)」と呼ばれる北朝鮮の謎の機関であると指摘している。

 国際連合はRGBを北朝鮮の「中心的な情報機関」と位置付けており、北朝鮮の武器取引に関与しているとして、昨年3月に制裁対象に指定した。

 だが、北朝鮮指導部に詳しい専門家のマイケル・マッデン氏によれば、自らの一族による王朝的な支配について公然と批判していた正男氏の姿勢が目立っていただけに、今回の暗殺はさまざまな機関による共同作戦だった可能性があるという。

「RGBは、たくさんある可能性の1つにすぎない。関与した機関を特定するには、少なくとも、もう1週間必要だろう」とマッデン氏は語る。

 マレーシア警察は23日、北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者(47)を逮捕した。同容疑者は、漢方薬を扱う小さな会社に勤務しているとしてマレーシアの就労ビザを持ち、妻と2人の子どもと共にクアラルンプールで暮らしていた。

 脱北者であるジャン・ジンスン氏によれば、リ容疑者のような海外在住の北朝鮮人を利用するやり方は、一流スパイの養成所である「35号室」による作戦の特徴だという。ジャン氏は、かつて朝鮮労働党内で「35号室」と並ぶ情報機関である「統一戦線部」に勤務していた。