2月25日、中国・山東省の郭樹清省長(右)が退任し、銀行業監督管理委員会(銀監会)主席に就任する。北京で2010年5月撮影(2017年 ロイター/Jason Lee)

[北京 25日 ロイター] - 中国・山東省の郭樹清省長が退任し、銀行業監督管理委員会(銀監会)主席に就任する。中国の金融システムは現在、不良債権や影の銀行(シャドーバンキング)の膨張など多くの課題を抱えて岐路に立っており、金融行政における経験豊富な郭氏(60)の手腕が試される。

 郭氏はこれまでに中国建設銀行の会長や中国証券監督管理委員会(CSRC)委員長など要職を歴任し、同国で最も熟練した金融サービスのプロの1人と目されている。

 熱心な改革派とされ、2011年から13年のCSRC委員長時代には70以上の新規則を策定した。停滞していた株式市場を蘇らせ、外国人投資家を呼び込み、インサイダー取引、情報開示や企業統治の不備といった問題にも切り込んだ。

 新規株式公開(IPO)の制度改革を提唱し、赤字企業の非上場化も後押しした。

 中国の2つの銀行で社外取締役を務めたことのあるジェームズ・ステント氏は「CBRCは巨大で複雑な組織だ。有能な統率者であらねばならない。郭氏はこの職務をこなせる能力を実証済みだ」と話す。

 郭氏は英オックスフォード大の客員研究員だったことがあり、流ちょうな英語を話す。2001年からは中国人民銀行(中央銀行)の副総裁と外国為替当局のトップも務めた。

課題

 中国の現政権にとって、金融システムで膨張した信用の解消とリスク抑制は最優先課題の1つだ。

 過去5年間で銀行の資産は2倍以上に膨らみ、昨年末時点の不良債権額は1兆5100億元と、2005年以来の最高に達した。シャドーバンキングも急激に拡大している。

 2011年からCBRC主席を務めた尚福林氏は、シャドーバンキング対策が手ぬるいとの批判を浴びてきた。

 郭氏はまた、急拡大するオンライン金融業界の監督という問題にも直面する。

 中国株が暴落した2015年以来、政府は銀行、保険、証券の監督当局を統合するとの観測も絶えず、郭氏はそうした中でCBRCを率いていくことになる。

(Shu Zhang記者 Matthew Miller記者)