[チューリヒ 27日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)のツアブリュック副総裁は、現金は今後も金融システムの重要な部分を占めるとの見解を示した。世界的な資金洗浄(マネーロンダリング)規制や代替決済システムの利用拡大で、現金が最終的に廃止されるとのスイス国民の懸念の払拭に努めた。

バーゼルでの紙幣に関する会合の準備原稿によると、副総裁は現金が廃止されるとの見方について、スイス中銀は「誇張されているだけでなく根拠がないとみている」とし、「現金を廃止する計画はまったくない」と明らかにした。

欧州中央銀行(ECB)は昨年、犯罪防止への取り組みの一環として、500ユーロ紙幣(529.05ドル相当)の発行を取りやめると発表。これを受け、スイスでは中銀が同様の措置を取るとの懸念が広がっていた。スイス国民の多くは現金使用を好み、車の購入に現金が使われることもある。

ツアブリュック副総裁は、スイスではマネーロンダリングに関する法律や規定が「犯罪目的での現金使用の防止につながっている」と指摘。また、電子決済などで生じるデータセキュリティーの問題は現金にはないと語った。

副総裁は、現金の需要は引き続き高く、世界金融危機を受けて多くの国で需要が拡大したと説明。このほか、中銀は現金に対する需要が満たされ、またキャッシュレス決済が問題なく機能することを確実にすると述べた。