[ワシントン 1日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)は1日、年次報告書を議会に提出した。他国の不公正な貿易慣行に強力な対応策を取る方針を示し、世界貿易機関(WTO)の決定が米国の主権を侵害しているとみなせば従わない可能性があると表明した。

為替操作や不公正な政府補助金、知的財産の盗用、国営企業など市場をゆがめる行為をトランプ政権は「容認しない」と強調した。

報告書はトランプ政権の通商政策を初めてまとめたもので、貿易問題ではWTOの決定を尊重したオバマ政権の方針から大きな転換となる。

ピーターソン国際経済研究所のシニアフェロー、チャド・ボウン氏は「歴代の大統領とは異なり、トランプ氏は中国などに対して輸入制限を導入することに積極的だ。だがWTOの規定を踏まえれば正当性はかなり疑わしい」と指摘。「米国がこうした方針を取ることの最大の問題は、他国も直ちに同様の措置を講じることだ」と述べた。

年次報告書は、不公正な貿易慣行へ対応として認められている措置がWTOの一部の決定により弱められることは米国の国益に反すると主張。トランプ政権は積極的な行動に出て「市場での正しい競争を促す」と表明した。

米政権は自国の貿易関連法を厳密に適用し、貿易政策に関する主権を守り、外国の市場を米国に開放するために全ての可能な手段を用いるとし、米国の法律がWTOの規定に優先するとの立場を明確にした。