経営×経理

米津 土井社長は、給与計算などのバックオフィス業務にもかなり明るいように見受けられますね。

土井社長 とんでもない。私はもともと大手メーカーで研究職をやっていて、当社に来たときに、仕事の流れが属人化している古さを感じました。そこを改善しようとしても、私が経験した大手企業のやり方にはみんながついてこれないと思ったので、ソフトのシステムを持ち込み、言わば「型にはめる」ことで社員教育しようと考えました。その後は、「この仕事はこういう手順とルールでやるものだ」「これが世の中の当たり前なんだ」という空気を、意識的に醸し出すようにしてきました。

米津 組織変革や業務改革は、トップダウンが機能するかどうかがカギになりそうですね。

土井社長 ただし、対応はできるだけ柔軟にするよう心掛けています。たとえば、給料明細も原則としてデータを各従業員のiPadに送っていますが、紙でほしいという人には、印刷して渡しています。

河江健史(かわえ・けんじ)
1979年生まれ。早稲田大学商学部卒。公認会計士。河江健史会計事務所代表、FYI株式会社代表取締役。 監査法人、証券取引等監視委員会等での勤務を経て現職。 「クラウド会計は人材不足に悩む中小企業の救世主」という思いのもと、クライアントへの導入を進める。 主な共著に『リスクマネジメントとしての内部通報制度:通報窓口担当者のための実務Q&A』(税務経理協会)、 『国税庁「税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組み」徹底対応 税務コンプライアンスの実務』(清文社)、 『インドネシアのことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版社)、『会計事務所と会社の経理がクラウド会計を使いこなす本』がある。

導入コストの安いクラウドサービスは
PDCAサイクルが回しやすい

河江 いまは採用難だと言われますが、クラウドサービスを活用していることは、採用活動においても存在感が増すのではないですか?

土井社長 それはその通りですね。この数年のさまざまな業務改革で、会社の雰囲気も随分変わりましたし、新卒採用も増えて、平均年齢が一気に若返りました。クラウド化を始めた当初は「また変わるのか、面倒くさい」という反応でしたが、導入→実践→改善のサイクルを回すうちに、だんだんと「これを入れたらいいことがあるだろう」と思ってくれるようになりました

米津 土井社長がそのように新しいことをどんどん取り入れていくモチベーションは、どこから生まれるものなのでしょうか。

土井社長 経営者にもいろいろなタイプがありますが、私は即断即決を是とするタイプです。悩む時間はアイドリングに過ぎないと思っています。だから失敗する確率は高くても、メリットを直感したものはすぐに試して判断するほうが、結果的に弊社にとっての「正解」に早くたどりつけると考えています。

Special Columns

土井貴達 どい たかみち

1973年生まれ。関西大学商学部卒。公認会計士・税理士。 土井公認会計士・税理士事務所代表。2012年に大手監査法人金融部を退所し、独立。 監査法人勤務時代に実施していた取引先企業への貸付金、有価証券の査定業務に係る監査、 コンサルティング業務などを通じてあらゆる業種に精通。 独立後も、企業融資のサポートを得意としている。 独立直後からクラウド会計の導入を始め、クライアント企業への導入サポートは数十社に及ぶ。

米津良治 よねづ りょうじ

1983年生まれ。上智大学法学部卒。税理士。税理士法人ファーサイト・パートナー。上場企業にてIR職、経理職等を経て現職。企業勤務時代に社内横断の業務プロセス改善プロジェクトの中心メンバーとして活動したことをきっかけに、業務効率化にこだわりを持つ。早くからクラウド会計の優位性に着目し、研究を開始。わずか1年で30社以上のクライアントにクラウド会計を導入した実績を持つ。

河江健史 かわえ けんじ

1979年生まれ。早稲田大学商学部卒。公認会計士。河江健史会計事務所代表、FYI株式会社代表取締役。 監査法人、証券取引等監視委員会等での勤務を経て現職。 「クラウド会計は人材不足に悩む中小企業の救世主」という思いのもと、クライアントへの導入を進める。 主な共著に『リスクマネジメントとしての内部通報制度:通報窓口担当者のための実務Q&A』(税務経理協会)、 『国税庁「税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組み」徹底対応 税務コンプライアンスの実務』(清文社)、 『インドネシアのことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版社)などがある。


「クラウド会計」は経営の生産性をどれだけ上げるのか?

2012年頃に登場し、わずか5年で100万社以上の企業が導入している「クラウド会計」。GmailやDropboxがあたりまえのようにビジネスの現場に普及しているように、今後、会計・請求・給与・経費精算などのバックオフィス系だけでなく、 顧客管理や在庫管理などあらゆる経営リソースがクラウド化していくことは間違いないと見られている。本連載では、クラウド会計をどう活用するか、企業の事例を中心に『会計事務所と会社の経理がクラウド会計を使いこなす本』(ダイヤモンド社)の著者の3人の税理士がインタビュアーとなって紹介する。

「「クラウド会計」は経営の生産性をどれだけ上げるのか?」

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