従来の営業活動では、訪問件数主義だったりし、見込みのない案件への訪問が行われていたりした。だが、インサイドセールスを導入すれば、見込み度合いの高い顧客のみに集中してアプローチできるようになるため、営業活動の効率が上がり、成約率も向上するという。単なるリードではなく、確度を高めたホットリードだけをバトンタッチするというのがポイントだ。

「インサイドセールスでは継続的なコミュニケーションでニーズを掘り起こしながら、リードナーチャリング(顧客育成)によってホットリードを創出しているのも特徴です。つまり、潜在需要を顕在化する役割も担っているということです」

交通費や人件費が縮小
コスト削減効果も大きい

 世界最大のクラウド型CRM(顧客管理)ベンダー、セールスフォース社のCEO、マーク・ベニオフ氏も自著『Behind the Cloud』の中で、「私たちはインサイドセールスのモデルを使用することによって従来の外勤営業に比べ、およそ3分の1の時間とコストでこれまでの実績をはるかに超える受注率を獲得することができた」と高く評価している。

 ベニオフ氏が言う通り、ムダな顧客訪問をなくすことで交通費や人件費の縮小化できるため、コスト削減効果も大きい。欧米の調査機関のデータからも、インサイドセールスは外勤営業に比べて62%のコスト削減につながっていることが明らかになっている。

 そもそもこのインサイドセールスは海外で生まれたものだが、ここにきてなぜ欧米で急成長しているのだろうか。その要因の1つとして、IT技術の進化が挙げられる。これまで電話による顧客へのプレゼンテーションは難しいとされていたが、今ではSkype、GotoMeeting、JoinMeなど多彩なテクノロジーを駆使して会話はもちろん、資料共有、画面シェアなどがオンラインで簡単にできるようになった。また、顧客にとってもオンラインでのやり取りが普通のこととなり、情報収集や交流に積極的に取り組むようになっている。日本でもこうしたIT環境が整ってきたことで、インサイドセールスへの関心が徐々に高まっているのだ。

 実際、ネクスウェイでもサービス開始から1年ほどだが、事業は急拡大中。さまざまな業界からインサイドセールスでの支援を求められる状態が続いている。