わずか9日で2億円の寄付の目標金額を達成
世界27か国・地域のグルーポンが団結した背景とは

 震災で「家に帰れない社員たち」は、転じて、開発のために泊まりこみを続けた。ページ構成、導線、システムすべてを作りこむ必要があるからだ。11日、つまり震災のあった日の夜には、マッチングギフトのウェブサイトがグルーポン・ジャパンのホームページ上にアップされた。

 瀬戸を中心に各国のグルーポンにも呼びかけが行われ、次々と世界各地で寄付サイトがオープンしていく。世界27か国・地域で寄付サイトがオープンした。グルーポンそのものがサービスインしてからまだ数日も立たない韓国からも寄付が寄せられた。その間、瀬戸やCTOも泊まりこみながら各国との調整やシステムの開発が続けられた。

 12日には、ユーザーからのリクエストによって寄付の上限に変更が加えられ、一人あたり2000円の上限が1万円に変更された。さらに、15日にはその条件が20万円にまで引き上げられた。すべて、ユーザーサイドから求められたことに即応したのだ。

 早くも20日には日本法人だけで1億円の寄付を集め、グルーポン・ジャパンが拠出する1億円を加えて、目標額を達成した。この時点で計2億円が日本赤十字社を通じて、被災者に役立てることが決まった。またこのマッチングギフトに加えて、一部エリアの営業を3月16日から再開したグルーポンは、4月15日までの売上の10%を義援金として寄付することを決めた。

震災が明らかにしたグルーポンの「素顔」<br />――台頭する「寄付プラットフォーム」が拓く新たな可能性【前編】日本と海外27ヵ国・地域のグルーポンの活動と併せ、約4億円を寄付した。
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