すると、せっかく目覚めて行動を起こした8人も、1人抜け、2人抜け、結局、元に戻るのです。

 やるべき課題を与えることと「やったか」のセットは、100人全員に、有無を言わさずやらせることに意味があります。職制の上下は関係ありません。全員に具体的な行動の課題を出すのです。

 どんな会社も、必要に迫られて意識改革をしようとしますが、99%は成功しません。その原因は抽象的な説教や、言葉による威嚇といった精神論から入るからです。誰が聞いても否定できない抽象的な正論を聞いても、右の耳から入って左の耳に抜けるだけです。

 行動しなければならない仕組みをつくって、その中へ社員を追い込んで、「やったか」「できたか」を繰り返し、体に覚えこませて習慣にするのです。習慣になれば意識が変わります。そこではじめて意識改革が成功します。会社全体で、一気に人を動かすには、この方法しかありません。