経営×物流

アスクル倉庫火災で消防規制強化やパート離れの可能性

「対岸の火事でない」大量保管で日雑品が「危険物」となるリスクも

 アスクル(本社・東京都江東区、岩田彰一郎社長)の物流センター「ASKUL Logi PARK首都圏」(埼玉県三芳町)で2月 16日朝に発生した火災は6日後の22日の朝になってようやく鎮火した。その影響について物流業界では様々な憶測が広まり、倉庫に対する消防規制強化やパートの「倉庫離れ」も懸念されている。

 今回の火災との因果関係は不明だが、日雑品の中には量によって「危険物」となる可能性のあるものが多くあり、大規模倉庫での大量保管ではそのリスクも大きくなる。今後、ネット通販での取り扱い見直しや、いまいちどコンプライアンスに基づく保管を徹底する動きが出てくることも考えられる。さらに、住宅地周辺での倉庫建設に対する住民の反対が起きれば、大型物流施設の開発にも影響を及ぼす可能性もある。

現行の消防法、近年の大規模倉庫は想定外?

火災が起こる前のアスクル倉庫内

 倉庫内段ボール等の延焼により消火活動が難航したアスクルの倉庫火災。近年の例をみると、2011年4月10日の王子運送のさいたま市岩槻区の倉庫(衣類などを保管)、14年11月29日の中部第一輸送の愛知県蟹江町の倉庫(包装用材などを保管)で火災が発生した際も鎮火するまでに時間を要した。

 段ボールやパレットなどそれ自体に引火性がなくても「燃えやすいもの」が倉庫にはたくさんある――ということが露見した。

 アスクルの倉庫はオリックスが開発した物件(のちにアスクルが購入)で自家倉庫として運用されているものの、倉庫業法に基づく営業倉庫登録も可能な建物として建てられ、建築基準法や消防法等は問題なかったとされる。

倉庫内に設置されていたシャッター

 ただ、現行の消防法が果たして近年の5万~20万平方㍍級の大規模物流施設を想定していたかどうかは疑問もある。2016年の日本経済団体連合会(経団連)の規制改革要望では、一定規模の倉庫の防火区画の整備義務の緩和が盛り込まれたが、むしろ規制強化の可能性も出てきそうだ。

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