スマートエイジングライフ
医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」
【第7回】 2017年3月8日
阿保義久 [北青山Dクリニック院長]
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骨の老化防止「牛乳を飲むだけでいい」は間違いだった!

骨の役割は体を支えるだけではない
全身とネットワークでつながっている

 骨には、姿勢を維持し内臓を守る役割があります。しかし、骨の重要な役割はこれだけではありません。

 まず、全身を巡っている「血液をつくる」ことが骨の大切な仕事の一つです。骨の中心部にある骨髄には血液の生産を司る造血幹細胞が豊富にあって、赤血球、白血球、血小板はここで作られます。赤血球は全身の細胞に酸素を運ぶ機能、血小板は止血機能、白血球は異物や外敵を除去する機能があります。すなわち、骨(骨髄)がしっかりと働かなければ、全身の細胞は生きていけず、出血は止まらず、また自己を守る免疫も働かないことになります。

 さらに、カルシウムを主とした「ミネラルを貯蔵しその出し入れをコントロールする」ことも骨の重要な役割です。骨は、生命活動を営むのに極めて大切なカルシウムを管理しています。

 体内にあるカルシウムの99%が骨や歯に存在し、残りの1%が血液や体液に含まれますが、血液中のカルシウムの量を常にほぼ一定の濃度に保つために骨が重要な役割を果たしています。

 血液中のカルシウムは筋肉の収縮や弛緩をコントロールしたり、生命活動の情報を伝達したり、血液や体液のpH(酸・アルカリバランス)を調節しています。これが不足するとカルシウムが骨から血液に溶け出し、必要がないカルシウムは血液から骨に取り込まれて、血液中の濃度が一定になるよう巧みに調節されています。その調節に関わるのがカルシウムの貯蔵庫たる骨なのです。

 他にも骨の細胞は、心臓血管、膵臓や胸腺などの臓器の代謝にも影響を与え、肥満・糖尿病・脂質代謝異常・動脈硬化などにも関係することがわかっています。骨が全身の代謝調節に重要な役割を担っているのです。

 骨は体を支え内臓を守るだけではなく、それ自体が一つの臓器として全身の各臓器とネットワークを構築していることになります。ですので、骨の老化は全身に影響を及ぼしてしまいます。

阿保義久
[北青山Dクリニック院長]

東京大学医学部卒業。腫瘍外科・血管外科医。2000年に北青山Dクリニックを設立。下肢静脈瘤の日帰り根治手術椎間板ヘルニアのレーザー治療痛みのない内視鏡検査・進行がんに対する革新的治療―がん遺伝子治療まで、質の高い医療サービスの提供に励んでいる。著書に『アンチ・エイジング革命(講談社)』、『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』、『尊厳あるがん治療(医学舎)』などがある。


医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」

「アンチエイジング」とは美容医療だけを指すのではなく、心臓血管、脳、消化管、骨・関節など、全身に関わり、身体年齢の老いを遅らせることが目的です。40代から意識すると効果的で、その対象は40~65歳位の方になります。本連載では、アンチエイジングの概念や体の部位ごとの変化を紹介し、ケア方法を提案していきます。

「医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」」

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