マンションは「構造部分は対象外」
自分でかけるのは「部屋の内側」だけ!

 まずは、地震保険の仕組みから見てみよう。地震保険は単独加入できず、火災保険とセットで契約しなくてはいけないルールがある。設定できる保険金額は、火災保険の50%まで。たとえば一戸建てのケースで、火災保険金額が2000万円なら、地震保険は最大で1000万円までということだ。

 知っておきたいのは、地震保険のベースとなる火災保険の保険金額は「建物の時価」が上限になるということ。土地の値段は含まない。つまり、火災保険の保険金額は住宅の購入価格より金額が低くなるのである。

 さらにマンションの場合、個人が入る火災・地震保険の対象は、鉄骨など構造部分は含まず、壁より内側の専有部分のみ。なぜなら、構造部分の保険は管理組合が付けるからだ。購入価格が5000万円近い新築マンションでも、土地と構造部分が対象外となるため、火災保険の保険金額はおおむね1000万円前後、地震保険はその50%まで、500万円前後となる。

 地震保険から支払われる金額は、被害状況に応じて「全損」で契約額の100%、「大半損」で60%、「小半損」で30%、「一部損」は5%の4段階。昨年までの契約は、「全損」「半損」「一部損」の3区分だったのが、今年の1月の保険料改定と共に損害認定の変更も行われた。知っておきたいのは、昨年までの契約については、「3区分」のままであることだ。

 地震保険の仕組み上、建物が全壊したとしても、保険金だけでは建物を元通りに再建することはできない。「建て替え、買い換え費用に満たないなら、入らなくてもいいのでは」という質問をよく受けるが、それでも入っておいたほうがいいとアドバイスしている。特に多額の住宅ローンが残っている間は地震保険の加入はマスト。地震や津波で自宅が焼失・流失しても、原則として住宅ローンの返済は免除にはならないからだ。

 自宅が大きな被害に遭ったとき、地震保険に入っていて保険金があれば、たとえ被害額の一部であったとしても、住宅ローンの返済に充てることで被害を軽減することができる。

 また、高齢者も地震保険加入の必要性は高い。地震で住まいを失ったとき、高齢者は住宅ローンを組むことはできない。賃貸住まいに切り替えるにせよ、ある程度のお金は必要になるが、老後資金からすべて捻出することになると、その後の生活に不安を覚えることになるだろう。

 大規模な地震で被災すると、住宅だけでなく衣服、電化製品、家具なども失うことになるので、生活再建にかかるお金は少額では済まない。地震保険は、被災した際の「生活再建のためのお金をカバーするための保険」と考えよう。事故の確率が低くても経済的ダメージが大きいリスクほど、保険加入の優先順位は高くなることも覚えておきたい。