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吉田恒のデータが語る為替の法則

「二番底」確認か? 底割れか?
重要な「審判のとき」を迎えたドル/円相場

吉田 恒
【第129回】 2011年4月27日
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 先週にかけて「米ドル安・円高」の動きとなっており、米ドル/円は81円台まで下落してきました。

 これが、私がかねてからお話してきた米ドル/円の「二番底」を確認する動きであれば、そろそろ終盤に差し掛かっている可能性があります(「米ドル/円は「二番底」を試す動きへ。反落はいつまで続き、その後どうなるか?」など参照)。

 逆に言えば、ここで下げ止まらないようならば、米ドル/円がまだ大底を打っていない可能性も出てきそうなのです。

中長期のトレンド転換が起きたのか、今が重要な時期

 私は、相場の底打ちは、1回で反転する「V字型」より、何度か本当に底を打ったのかを試しながら、徐々に反転に向かう「W字型」が一般的で、今回もその可能性が高そうだと述べてきました(「再介入の有無がドル/円基調転換の鍵に。V字型ではなくW字型で大底入れか?」など参照)。

 そういった中で、一時85円台まで上昇した米ドル/円は、先週にかけて81円台へと反落したのです。

 ところで、協調介入をきっかけに相場が底入れし、反転に向かったケースとして、今回の参考になりそうなのは2000年9月のユーロ底入れ(「資料1」参照)と、1995年4月の対円での米ドルの底入れ(「資料2」参照)です。

 この2つのケースの「二番底」は、どのような展開だったのでしょうか?

資料1

 

 2つのケースともに、「二番底」は「一番底」から1ヵ月あまりが経過したところで確認されました。

 ただ、2000年のユーロのケースは「一番底」を2%程度下回る「弱気の二番底」で、1995年の米ドルのケースは「一番底」より2%程度高い「強気の二番底」でした。

 「強気」と「弱気」で異なりますが、いずれにしても、再度の為替介入をきっかけにして「二番底」確認となりました。

資料2

 

 さて、今回の米ドル/円の「一番底」は、3月17日につけた76.25円です。

 前述の2つのケースのように、「一番底」から1ヵ月あまりで「二番底」をつけるならば、この4月下旬に、いつ「二番底」を確認してもおかしくはありません。

 逆に言えば、5月に入り、日本のゴールデン・ウィーク(GW)を過ぎても「二番底」をつけず、それどころか「一番底」の76.25円を大きく下回り、底割れするようならば、米ドル/円がまだ大底を打っていない可能性が出てきます。

 つまり、2007年6月の高値124円台から続いてきた「米ドル安・円高トレンド」が終わっていなかった可能性が出てくるのです。

 円高から円安へと中長期で見たトレンド転換が起きたのか、それはまだなのかを見極める上で、非常に重要な日柄、価格に近づいてきたと言えそうです。

金利差ゼロの局面で、「円売り・ドル買い」拡大は難しいか

 直感的には、私は円高がすでに終わっていて、円安が始まっていると思っています。

 円高は4年近くも続いており、経験的にはいつ終わってもおかしくない段階に入っていました(「【2011年相場見通し】米利上げ? 介入?「時代遅れのドル安・円高」は幕を下ろすか」を参照)。

 そのようなところに、トレンド転換のきっかけとなりやすい協調介入が入ったためです。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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