伝え方の技術は
再現性が高い

『まんがでわかる伝え方が9割』も発売され、『伝え方が9割』シリーズの販売部数は累計100万部を突破した。佐々木さんは自分を変えた伝え方の技術をさらに多くの方に伝えるべく、年間70本以上の講演の場で聴衆に語りかける

『伝え方が9割』を読んだ方からはたくさんの声をいただいていますが、よくいただくのが、「とても再現性が高い」というコメントです。つまり、読んで実践してみた伝え方が、本当に相手の行動を変えたと、実感できたということです。

 僕は講演でよく、「部下に残業して企画書を書いてもらいたいときに、どのように伝えるか」という話をします。

 そのまま

「残業して企画書を書いてほしい」

と言うと、部下は面倒なことを押しつけられたと感じ、やだな、やりたくないな、と思います。でも、

「君の企画書が刺さるんだ。明日までにお願いできないか」

と言われると、もともと人には「認められたい欲」があるため、「よしっ、じゃあ、やってやろう」という気になるものです。

 それだけではありません。企画書のクオリティだって変わるんです。前の言い方だと、指示を受け入れたとしても、根底にはいやだという気持ちがあるからやっつけ仕事になってしまいます。一方、後の言い方の「君の企画書が刺さるんだ」と言われると人は「期待に応えて、よりいいものを作ろう」と頑張ります。

「認められたい欲」を満たす、最も効果的で短く、ビジネスでも使いやすいフレーズは「期待しているよ」です。部下へのLINEで最後にひと言、「期待しているよ」と入れるだけで、レスポンスが速くなります。依頼した仕事のクオリティもほんの少し上がります。まずは、伝え方の技術によって「こんなにも相手の行動が変わるんだ」ということを実感してみてほしいですね。(談)

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(構成/河合起季、撮影/宇佐見利明)