会社で屈辱を味わったときに、どうするか。

 ライバル視していた同期が昇進したのに自分はそのまま、理不尽な扱いを十分すぎるほど味あわせてくれた上司から追い出しを受ける――。

 こういうとき、身の不幸を嘆くか、それともファイティングポーズをとってさらに闘おうとするのか……そこが負け組から脱出できるか否かを決める重要な「十字路」になる。

 連載6回目は、負け組社員になったときに陥ってはいけないネガティブな思考パターンを、筆者が潜入したある飲み屋の風景をもとに、考えてみよう。

 登場するのは、リベンジを胸に誓って「負け組御用達」のスナックでストレスを発散しようとするものの、そこで“ヒモのような男”と呼ばれるマスターに毒を吹かれ、さらに戦意喪失していく社員たちである。彼らは、まさに「負のスパイラル」に陥っているのだ。

 あなたはこのような店に行きたいだろうか?

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■今回の主人公――はい上がれない「負け組社員」

高学歴の負け組社員たち(仮名)

 都心にある「スナックM」に客として現れる負け組社員たち。皆会社で昇進が遅れたり、上司から追い出しを受けたりと、悲惨な目に遭っている。それを覆い隠そうと、彼らは「過去の栄光」について話したがる。それは大学受験のときのエピソードなどだ。その話にウィルスのように群がるマスターにより、さらなる負け組スパイラルに陥っていく。
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(※プライバシー保護の観点から、この記事は取材した情報を一部デフォルメしています)

負け組社員御用達の“名門店”で
夜な夜な語られる「大学の偏差値ランキング」

 「バカ言っちゃいけませんよ。中央大の法学部は、東大並みだったんですから……」

 「でも、今は入学難易度が下がってA大とかB大レベルに。学力の低いゆとり教育世代もたくさんいるから・・・・・・」