[東京 9日 ロイター] - 4月に第1回会合が予定されている日米経済対話で、農業分野を議論せず、農水省も参加しない方針を日本政府が固めた。複数の関係筋が明らかにした。日本側はインフラ整備やエネルギー・通信関連などでの協力を主要なテーマとして設定し、国土交通省は参加する。同対話の参加範囲を含めた日本案を近日中に米国側へ打診する。

<鉄道やガス輸入などインフラ分野を列挙>

2月の日米首脳会談で設立が決まった日米経済対話は、日本側が麻生太郎副総理兼財務相、米国側がペンス副大統領をトップとする形で、1)財政・金融政策の連携、2)インフラ(社会資本)整備、エネルギーなどの事業の協力、3)2国間貿易の枠組み――について議論する。

自動車や為替などをめぐりトランプ大統領が相次いでツイッターで対日けん制発言を繰り返してきたが、日本側は対米経済協力を議論する場として提案した。麻生副総理を中心に財務省や外務省、経済産業者、国土交通省などが組織横断的に交渉担当者の人選を進めている。

複数の関係筋によると、早ければ週内にも米国に示す日本案では、米国での高速鉄道プロジェクトや鉄道車両製造、米産シェールガスの日本への輸入、サイバー攻撃防御などの通信技術と多岐にわたる。

日本側は、トランプ大統領が官民資金1兆ドルを掲げたインフラ投資に対し、どのように側面支援が可能なのか議論したい考えだ。

米国では、トランプ政権が環太平洋連携協定(TPP)からの脱退を掲げ、対日輸出で豪州に先行された牛・豚肉業界が、日米FTA(自由貿易協定)を要求しており、今後のトランプ政権の出方に注目が集まっている。

日本側には、農業分野で圧倒的な競争力を持つ米国と2カ国交渉を始めてもメリットが少ないとの考え方が多い。

ただ、米国側が農業分野を同対話の枠組みに含めるよう強く求めてきた場合、日本側も交渉スタンスの再検討を迫られる可能性があるとの声も、日本政府内にはある。

もっともトランプ政権は、フリン氏が大統領補佐官を辞任した後も、セッションズ司法長官が虚偽証言疑惑で批判されるなど、主要な人事での「ごたごた」が多発。政治任用とされる主要官庁の幹部人事も、いまだに空席が多く残っている。

このため日米経済対話のテーマ絞り込みなどの日米間における議論は進んでおらず、4月18日を軸に調整が進んでいる初会合は、顔合わせ的な「キックオフミーティング」になるとの見方もある。

だが、米国家通商会議(NTC)のナバロ委員長は6日の講演で「日本には極めて高い非関税障壁がある」と発言。トランプ政権が今後、どのような対日要求を出すのか予断を許さないとの見方もある。

(竹本能文 編集:田巻一彦)