[サンフランシスコ 8日 ロイター] - 内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した文書で、米中央情報局(CIA)がコネクテッドカー(インターネットに接続できる車)へ侵入する「任務」を検討したことが示されたことを受け、これらの技術に対する懸念が改めて広がっている。

コネクテッドカーや自動運転車は、ハッカーの標的となる多くの通信ルートを持つ点で、車輪の付いたコンピュータのようなものであり、実現においてはサイバーセキュリティーが鍵を握るとみられている。

消費者がこれらの自動車を信頼するためには、サイバー攻撃に対し安全であると考える必要がある。セキュリティーの専門家らは、ハンドルもブレーキもない完全な自動運転車が遠隔操作で攻撃を受け、マニュアル運転への切り替えができなくなった場合の恐ろしい仮説について言及する。

ストラテジー・アナリティクスの自動車コンサルタントであるロジャー・ラントット氏は「自動運転に適応する自動車の設計に力を入れている企業は多いが、それはハッカーにとっても魅力的だということだ」と述べた。

自動車メーカーにとっての主要な戦略は、極めて重要なシステムと通信を行うゲートウエー(出入り口)を減らし、サードパーティーから提供されたサービスにはただ1つの安全なパスを使うよう要請することだ。

ウィキリークスの公開文書によると、CIAは「自動車システム」と、ブラックベリー<BB.TO>傘下のQNXが開発した自動車向けOSについて、CIA内の「組み込みデバイス部門」が検討すべき「ミッションの範囲」になる可能性があるとしている。QNXのOSは世界の自動車メーカーで使用されているが、同社は「セキュリティーが唯一の弱点」と述べている。

自動車業界ではすでに、ハッキングの危険性が指摘されていた。

2015年には、「ジープ・チェロキー」を無線で遠隔操作できることが研究者らにより判明。フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は140万台をリコール(回収・無償修理)した。昨年9月には中国の研究者らが、テスラの「モデルS」のブレーキなどを遠隔操作できることを明らかにし、同社は無線関連のプログラムにパッチを当てて対応した。

コンサルティング会社、アリックスパートナーズのマーク・ウェイクフィールド氏は、2つの事例により「不可能なように見えても技術的には可能だということを、自動車業界は痛感させられた」と話した。

ミシガン大学交通研究所の1月の調査によると、完全自動運転車がハッキングにより事故を起こす危険性について「極めて不安だ」と述べた人は33%に上った。