現時点での見通しを具体的に伝える

親がいつまでも健在ではないとわかっていても、いざその時がやってくると家族は動揺します。
これまで病気知らずで元気だった方であればなおさらでしょう。
できれば事情を理解し、配慮してほしいと思っているのに、上司の言葉から「助けてもらえないんだ」と感じて、Iさんはつらくなりました。

今後の対応で頭がいっぱいなのに「休まれるのは迷惑」というニュアンスの言葉が返ってくると、言われた側は「気づかってくれないんだ…」と感じて、つらい思いをします。
でも、上司にしてみれば、「いつ休むのか」「いつ戻って来るのか」の見通しが立たないことは大きな不安材料です。
いつ・どれぐらい・どんな理由で休むのか──をきちんと「見える化」して報告しておきましょう。

家族に介護の必要性が出てきたときは、すぐに職場の上司に相談しましょう。
事前に、現状を伝えておくことで、会社も急な休みのときの対応やスケジュールの調整をしやすくなり、お互いの安心感につながります。
伝えることで、自分も職場もリスクを分散することができます。
職場への相談は、最悪な事態を避けるための「リスクマネジメント」だと捉えましょう。

一番避けたいのは、「どうせわかってもらえない」「助けてもらえない」と、最初からあきらめて相談さえしないこと。
今後の見通しをなるべく具体的に伝えましょう。