仕事のプロは自分の「後工程」に絶対迷惑をかけない上司であるあなたは部下に無駄な時間を費やさせてまで、仕事を依頼していませんか?

自立している人間こそが
プロフェッショナル

 前回(2017年2月27日公開)、元巨人の鈴木尚広選手のインタビュー記事『大型補強巨人が抱える「なぜ若手が育たない」の矛盾はキャンプで解消可能か』に触発されたプロ論について語りました。彼は同記事で「自立している人間がプロ」だと言っています。ところが「多くの若手選手は自立できずに集合体を作り、その中にいることに居心地の良さを感じてしまっている。だから成長しない」と主張します。

 これもまた重要なポイントだと思います。もちろん、多くのビジネスパーソンは集団=会社などの組織の中にいます。ビジネスパーソンの仕事は、一人ではできないことが多いし、スポーツ選手ほど個人プレーも求められません。

 しかし、集団の中にいるということに安住してしまっている人間は、やはり、決してプロにはなれません。プロフェッショナルとは、集団の中にいてチームワークを重んじていても、その精神は孤高なものなのです。

 その昔、TBS系列の人気テレビドラマ『3年B組金八先生』をご覧になった方も多いことでしょう。その中で金八先生の「人という字を見てごらん、人という字は人と人が支え合ってできている」といった名言がありました。この名言には「漢字の成り立ちからしておかしい」という意見もありますが、もちろん、金八先生は国語の講義をしていたわけではありません。

 社会のありようを示す場合、金八先生の説明は一面の真実だと思います。ただし、それはプロ論とは無縁です。プロが組織を支えるためには、人の字のようにもたれ合ってはダメです。それぞれがきちんと一人立ち(自立)をして、垂直な杭のように底辺を支えてこそ、組織は強固になります。