[北京 8日 ロイター] - 経営破綻した中国・山東省の採炭会社、肥城礦業集団の債務再編では、「債権者委員会」の設置が合意にこぎ着ける上で重要な役割を果たした。この案件から、17兆9000億ドルに膨らんだ企業債務に中国政府がどう対処するつもりなのかが垣間見える。

肥城礦業集団は昨年12月、中国農業銀行<601288.SS><1288.HK>が主導する銀行10行と、融資の金利を引き下げて期間を延長することなどを盛り込んだ債務再編計画で合意した。

協議は10カ月に及び、会合が41回も開かれたが、ようやく交渉が合意に向けて動いたのは債権者委員会の結成後だった。

債権者委員会は中国銀行業監督管理委員会(CBRC)が企業債務問題への取り組みとして昨年正式に制度を導入。李克強首相は5日の全国人民代表大会(全人代)開幕初日に企業の借り入れ比率の引き下げを今年の主要課題に挙げた。

中国では企業の経営破綻、とりわけ国有企業の破綻はタブーとなっており、金融機関はCBRCから通告なしに融資を止めたり、回収することが禁じられている。このため債権者委員会が企業債務という重大な問題で前線に立っている。

CBRCが先週公表したデータによると、昨年末までに結成された債権者委員会は全国で1万2836件。扱った案件の借り入れ総額は14兆8500億元(2兆1500億ドル)で、商業銀行の融資総額の17%に相当する。

河南省のCBRCによると、昨年9月末までにCBRCが債権者委員会の結成を支援した企業は1300社を超え、これらの企業の抱える債務は河南省全体の55%を占めた。

中国の指導者は、大規模な解雇は避けつつ、企業債務を再編して金融リスクに対処したいと考えている。

山東省の銀行当局者はロイターに対して「ゾンビ企業を清算すると企業が破綻するだけで済まない。破綻の影響があまりに大きいことは、大量の人員解雇発生を考えるだけて分かる。社会の安定は重要だ」と述べた。

幹部の交代が見込まれる共産党第19回全国代表大会の開催を秋に控えて、中国の指導部は政情の安定を常にも増して最優先課題に据えている。

北京大学光華管理学院のポール・ギリス教授(会計学)は「中国は返済不可能な融資が回収される危機はどうしても回避したい。この方法により秩序だった形で時間を稼いでいる」と述べた。

(Shu Zhang、Matthew Miller記者)