経営×総務
社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント
【第8回】 2017年3月14日
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笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

リモートワークを続けるコツは「食事のタイミング」にあった

家族と過ごす時間が増える一方で、メリハリを保ちながら仕事をするのは簡単ではありません

 働き方改革で注目を集めるリモートワークの勤務形態は、「会社に通わずに仕事ができる」という大きな特徴があります。通勤に割いてきた時間が自由に使えるようになるので、自分の時間がはるかに増えるような気がします。日中も自分の裁量で動けるのですから、運動や自炊など、今まではできなかったけれど、健康的な生活を送るために必要なことが楽に取り入れられるようにも思うでしょう。

 しかし、実際のところ、リモートワークという働き方によってライフスタイルが劇的に変化している人は多くないように感じます。

 元々、朝が苦手な人は特に、一日のスタート時間が遅くなるだけで、日中の過ごし方が効率化するわけでも、仕事が終わるのが早くなるわけでもないというのが現状かもしれません。

 むしろ、仕事による成果物がわかりにくい場合は、評価が下がらないよう、会社にいる時間と同じ、もしくは、通勤時間分だけ長く働いている人もいらっしゃいます。家族の目があれば長時間労働にならないかと思いきや、「家にいるのだから家事や育児を手伝って」と言われることも少なくなく、結局、自分の仕事は深夜までしてしまう、という話もお聞きします。

 では、リモートワーカーにとって、食生活を管理することは難しいものでしょうか、それとも、やさしいのでしょうか。

食生活をさほど意識せずとも
「昔の体重に戻った!」はあり得る

 会社で仕事する場合と違い、外的要因によって食事のコントロールがしにくいということはありません。セルフマネジメントの能力次第なので難しいようではありますが、実際は、食生活を変えることを特段に意識しなくとも「昔の体重に戻った!」ということがあり得るのがリモートワークならではのメリットです。

 なぜならば、夜遅い時間まで仕事をしたとしても、夕食の時間は簡単に早めることができるからです。「お肉大好き!ラーメンも好き!」というようなノリで以前と同じような食生活をしたとしても、食べる時間が早まるぶん、脂肪の身に付き方は変わります。

 リモートワークでなくても食事の時間を工夫することはできます。通勤時間が長い人は、退社後に会社の近くで食べるか、家の近所で食べるかでも随分違ってきます。しかし、「ランチは会社の近くだし、夕食くらいは会社から離れた場所で食べたい…」と思うと難しいようです。

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笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

東京都生まれ。聖心女子大学文学部哲学科を卒業後、栄養士免許取得。現在、栄養士、食事カウンセラー、フードアナリストとして活躍中。都内心療内科クリニック併設の研究所での食事カウンセリングやセミナーなどで、これまでに携わった8000通り以上の食事記録をもとに食事指導を行っている。また、“食卓に笑顔を”の願いのもと、『Smile table』を主宰し、ビジネスマン向けに企業内研修、カウンセリングをするほか、ワークショップなども実施している。
著書には『10年後も見た目が変わらない食べ方のルール』(PHP新書)、『成功する人は生姜焼き定食が好きだ』(晋遊舎新書)、『甘い物は脳に悪い すぐに成果が出る食の新常識 』(幻冬舎新書)などがある。

 


社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント

かつて社員の病気や体調不良は、自己責任というイメージが強くありました。しかし今、社員の健康上の問題は、会社の経営・業績に大きな影響を及ぼしかねません。この連載では、職種などで異なる「特有な働き方の問題点」、それに伴う「食事の問題点」を紐解きながら、人事・総務部はどのように対処すれば改善すべきか、栄養士の目線から解説します。

「社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント」

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