今回は大胆な提言をします。

「海外でのコミュニケーションは、岡本太郎になれ!」です。

 今年、生誕100年の岡本太郎。東京美術学校を卒業後、パリに留学し、10年間帰国しなかった太郎は、絵画の修行だけでなく、既成芸術や自己への問いを解決するためにパリ大学、ソルボンヌ大学で学びました。

 メディアでのエキセントリックな発言や行動がよく知られていますが、日本人離れした思考、日本人離れしたコミュニケーションの技術をもった人でした。海外ビジネスでは、岡本太郎に学んでコミュニケーションをすると、高い実践効果を発揮します。

岡本太郎のように、自分の考えはストレートに表現

■商談は諦めませんから

 海外には穏やかな商談が少ないのが特徴です。商談には2種類あり、仕掛ける商談、砕け散る商談。今の時代、真ん中や平凡なオファーというのはほとんどありません。海外には下ネゴという商習慣がないため、最初からアジェンダを用意して、話の中身をオープンにすることが求められます。しかし日本人の訪問者が、国内と同様に社交辞令として現地の天気や経済景気など一般的な話ばかりしていると、パシッと言われます。

「今日は、何をしに来られたんでしょう」

 近年、どこの地域も経済的に切磋琢磨しているため、最初から針穴に糸を通すような、的をついたストレートな発言が積極的に出てきます。

 相手を攻めてくるような発言に対して、日本人の多くはたじろぎます。いつものように挨拶からと思いこんでいた話ができなくなり、いきなり本筋へと体制を立て直し、議論に持っていかなくてはなりません。