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社内プレゼンの資料作成術
【第32回】 2017年4月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
前田鎌利

会社の生産性を上げるカギは「会議」にある
【特別対談】UQコミュニケーションズ野坂章雄社長×前田鎌利氏

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シリーズ累計11万部を突破した『社内プレゼンの資料作成術』の著者・前田鎌利氏と、格安スマホや超高速モバイルネットを提供するUQコミュニケーションズの野坂章雄社長による対談も、今回がいよいよ最終回。UQコミュニケーションズは「会議」に対して高い問題意識を持っている。野坂社長が目指す会議のかたちとは何なのだろうか。

その「会議」で何が動き出すのか

前田鎌利さん(以下、前田) UQさんからは「社内プレゼン研修」だけでなく、「会議の効率化」という研修も任せていただきました。これは私の問題意識とも合致するものです。なぜなら、いくら個々人がプレゼン・スキルを高めても、会議のマネジメントができていなければ意味がないからです。社内プレゼンと会議は表裏一体のものなのです。その意味で、御社は会議に対する問題意識が高く、「30分以内に会議を終わらせる」など、すでに会議の効率化のためにいろいろ取り組まれていて、すごいなと思っています。

野坂章雄(のざか・あきお)
UQコミュニケーションズ株式会社代表取締役社長。1956年島根県生まれ。1978年東京大学法学部卒業後、国際電信電話株式会社(現KDDI)入社。KDDIアメリカ株式会社上級副社長、KDDI株式会社中国総代表、KDDI株式会社執行役員などを歴任後、2010年にUQコミュニケーションズ株式会社代表取締役社長就任。米国公認会計士。米国法学修士。

野坂章雄さん(以下、野坂) ありがとうございます。私は、何よりも会議の中の「無駄な時間」は極力、減らしたいんです。会議の質が、組織の生産性を決定づけると思っているからです。

前田 確かに、研修のためにいろいろな会社に入らせていただくと、会議がすごく長かったり、管理職の方が会議から会議へとずっとはしごしているのを見かけますね。

野坂 「忙しい、忙しい」と言いながら会議をはしごして、1日中、会議しかしていない人、いまよすね。何が「忙しい」のかわからないですけど(笑)。

前田 何かが「忙しい」のでしょうね(笑)。ところで、会議の効率化のために、すでに具体的に手を打たれている御社が、なぜ外部から講師を読んで、改めて「会議の効率化」を図ろうとしているのか、その背景を教えていただけますか?

野坂 根っこにあるのは、わが社の基本方針をまとめた「UQスピリット」の第6条です。

===
政治、経済、社会、会社など、人の集まるところには、相互の力関係が作用して影響を及ぼし合う「場」が必ず存在する。
仕事上の課題を解決するためには、必要な関係者を集めた「場」を作る段取り力とスケジュール力が重要となる。
その上で、一見矛盾するテーマを解決する知恵を一緒に絞り出すことが、仕事上の課題解決の決め手となることが多い。
===

 仕事の現場で見つけた課題を解決するには、ひとりの力では無理。いかに「場」をつくって動かすか。この力が仕事力そのものです。そして、会議はまさに「場」の設定です。私は「見方」「考え方」「伝え方」「動かし方」が仕事の根本だと思っていますが、会議は「動かし方」そのものにかかわる重要事項。課題を解決するためには、時間と空間の中で役者を集めて「場」を設定して、シナリオをつくって動かしていかなければならない。

前田 確かにそうですね。でも、課題を解決するために「どのような会議を、いつ、どこで、誰を集めて開催したらいいのかわからない」という人は、意外と多いんですよね。

野坂 そうなんですよ。たとえば、ある仕事が遅れているとします。自社が直接動かす仕事ではなく、自社が協力会社に発注し、その協力会社が別の会社を動かし、その会社もまた下請けを動かしているというような、1つの仕事に3社、4社がかかわっている仕事です。仕事が遅れている。納期は迫っている。仕事には複数の会社がかかわっている。このときにどう解決していくか。ここで会議力がものを言う。

前田 よくあるシチュエーションですね。

野坂 ふつうに仕事が動いているのであれば、こちらが直接、現場に赴くことはそうそうない。しかし明確に遅れていて、このままではいけないとなった場合には、やっぱり現場に赴くべきなんです。そして、現場のトップと話すのではなく、仕事している複数社の現場の人間同士が集まって、会議をしなきゃいけない。これが、問題を解決するための「場」です。

 それがわかっていないと、仕事にかかわっている複数社のトップを自社に呼び寄せて、「何をやっているんだ」とプレッシャーだけをかけたりすることになる。これでは何も変わりません。現場を動かしている人を集めて、彼らと意識や気持ちをすり合わせていかないと、現場は動かないんです。

 会議をやるならやるで、誰と誰を呼んでどんな会議をすればいいのかを考えないと、「今日、この会議なんでやってるの?」「なぜこの人が集まってるの?」「なぜ彼は来てないの?」ということが起こる。そんな会議をなくしたいんです。

前田 わかります。スティーブ・ジョブズも、会議に参加するメンバーをすごく大事にしていたそうですね。ある女性のスタッフが会議室に入った瞬間、「なんで君が参加するの? ごめん、今日の会議に君は必要ないから」と言って帰したという話が残っています。

 厳しいといえば厳しいですが、「この会議で何を決めるのか」や「誰が何をするのか」がすごく明確だったからこその対応なんでしょう。ここが明確になっていないまま、なんとなく来た人たちとどんなに長時間会議をやっても何も決まらないし、先に進みません。生産性が上がるはずがないんです。

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前田鎌利 

まえだ・かまり 1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信に就職。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして幾多の事業提案を承認されたほか、孫社長のプレゼン資料づくりも数多く担当した。その後、ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍。著者のプレゼンテーション術を実施した部署で、決裁スピードが1.5~2倍になることが実証された。2013年12月にソフトバンクを退社、独立。ソフトバンク、ヤフー、株式会社ベネッセコーポレーション、大手鉄道会社などのプレゼンテーション講師を歴任するほか、全国でプレゼンテーション・スクールを展開している。


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