3月10日、G20が債務危機回避の一環として取り組んでいるGDP連動債市場の創設構想が行き詰まっている。香港の両替所前で2015年8月撮影(2017年 ロイター/Tyrone Siu)

[ロンドン 10日 ロイター] - 20ヵ国・地域(G20)が債務危機回避の一環として取り組んでいる国内総生産(GDP)連動債市場の創設構想が行き詰まっている。構想を支持する先進国の中で、率先して発行しようという動きが見当たらないためだ。複数の関係者がロイターに語った。

 GDP連動債は、投資家への返済額が経済成長次第で変わる特徴を持ち、景気後退で歳入が減れば返済も少なくなる。つまりある国が経済的に困難な状況に陥っても、例えば最近のプエルトリコなどのようなデフォルト(債務不履行)を避けられる可能性がある。

 G20の政策担当者は昨年、同債市場立ち上げを目指すことで合意。国際通貨基金(IMF)に同債に関する専門的な報告書の取りまとめを委託した。

 今年に入り、IMFが4月終盤にも公表する報告書の内容がG20の事務方に伝えられた。彼らは3月(訂正)17─18日にドイツで開くG20財務相・中央銀行総裁会議にそうした情報を報告するとみられる。

 2人の関係者の話では、IMFはGDP連動債にとって一番の障害は投資家の需要がないことと、そうした債券を発行することで国の評判が悪くなることだ、との見方をG20の事務方に示した。評判が悪化するのは、これまでのGDP連動債が新興国の債務再編において投資家に償却を受け入れてもらうための手段として発行されたケースしかないからだ。

 昨年、G20で提唱された計画の1つは、先進国がまず発行して投資家のGDP連動債に対する許容度を高めるというものだった。ところが関係者によると、どの国も真っ先に発行してリスクを引き受けようとしたがらず、計画は頓挫した。

懐疑的なドイツ

 関係者の1人は、今年のG20議長国であるドイツの国内で、GDP連動債について非常に懐疑的な見方が出ていることも、市場創設の障害だと指摘した。