逆境に強いのは内部要因から生み出される利益

 利益の源泉のうちの外部要因に恵まれれば、多少経営の腕がお粗末でも売上も利益も出る。2017年時点での東京では、3年後のオリンピックを見据えて、建設関連および建設資材の業界は好景気に沸き業績を伸ばしている。観光産業も、現在、円安によるインバウンドによって倍々ゲームを続けている。

 外部要因の利益に対する影響は大きい。しかし、外部要因は自分たちの手で変えることはできない。自社では変えることのできない外部からの与件であるから、オリンピック景気の反動、円安から円高へと為替の変動があれば、環境は逆転し形勢は一気に不利になる。

 一方、内部要因は、外部要因と異なり自社でマネジメントし、コントロールできる。自分たちの手で変えることができるのだ。

 外部環境に恵まれないとき、逆風のときに頼りになるのは、内部要因から生み出される利益である。利は内にあるのだ。

 経営が逆風のときには、内部要因の改善、改革で利益を捻出するのみならず、打つべき手がほかにもある。以下の表は「逆風に克つ経営の原則」である。危機管理のひとつとして参考にしてほしい。