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パナソニックがスポーツビジネスに
本格進出する理由

大河原克行
【第142回】 2017年3月16日
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スポーツ施設向けの
設備機器販売を強化

 井戸役員は、「従来からの施設向け物販型ビジネスでは、2020年に3兆円の市場規模が見込まれるが、このうち、パナソニックが持つポテンシャルは1000億円規模。その市場において300億円の事業規模を見込む。その他の事業で、上積みを目指していくことになる」とする。

 物販型ビジネスの具体的な商材としては、スタジアムを演出するプロジェクターや情報を提供するデジタルサイネージのほか、放送・中継・制作システム、LED投光機、照明、大型空調、店舗向けPOSなどが見込まれる。

 すでに、宮城県仙台市の東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地である楽天koboスタジアム宮城では、縦10.24m、横25.088mの大型LEDビジョンによるスコアボードを導入。さらに、コントロールルームにスタジアム統合演出マネジメントシステムを導入したほか、モバイルオーダーシステムを導入し、座席から食べ物などを注文して、イニングの間にこれを受け取れるようにしている。さらに、リモートコントロールカメラを活用して、試合の状況を録画。チームの戦略分析にも活用しているという。

 また、北海道日本ハムファイターズの本拠地である札幌ドームでは、バルーンカムによって、上空からの撮影を行ったり、380型相当のガラスにプロジェクターで情報を投影する高臨場感プレミアム演出空間を用意し、試合をみながら、選手の情報などを得ることができるサービスを提供している。

リオ五輪では機器だけでなく
映像演出も受注

 サービス型事業では、スタジアムの演出などが含まれる。パナソニックは、リオオリンピックにおいて、大型LED映像表示装置72面、プロ用音響システムを41会場に納入。そのほかにも、システムカメラ約40台、放送用スイッチャー約70台を納入した。さらに、プロジェクターは、開会式用だけで約110台、その他で約210台を納入した。

 とくに、開会式、閉会式では、機器導入だけでなく、映像演出を元請けとして受注した。パナソニックにとっては初めてのことだったが、この成功がサービス型事業に弾みをつけることになった。

仏VOGO SASとの協業により展開するマルチ動画配信。タブレットから好きなシーンを見られる

 さらに、仏VOGO SASと国内における独占販売契約を締結。同社が開発したアプリ「VOGO Sport」を通じて、スマホやタブレットに、様々な角度から撮影したライブ映像や解説動画を、Wi-Fiを通じて配信するシステムを提案する。「ゴルフでは、18番ホールの観客席にいるギャラリーは、ティーショットのシーンや、ほかのホールのシーンを見ることができない。その映像を、手元のスマホやタブレットに配信。利用者は、見たいシーンを再生したり、スローモーションやズームアップのほか、好みのカメラアングルの映像を自由に選んで楽しむことができるようになる」という。

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