3月14日、東芝の綱川智社長(写真)は会見で、米ウエスチングハウスの米連邦破産法11条の適用申請に関し、「いろいろ選択肢はあるが具体的に決まったことはない」と述べるにとどめた。写真は14日都内で撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[東京 14日 ロイター] - 東芝は14日、巨額損失の震源地となっている米原発子会社ウエスチングハウス(WH)について、過半の株式売却を含め連結対象から外す方針を示した。ただ、綱川智社長は同日の会見で、追加損失を遮断する手法として有力視されている米連邦破産法11条の適用申請に関し、「いろいろ選択肢はあるが具体的に決まったことはない」と述べるにとどめた。

 東芝がこの日の会見で強調したのは、現在の苦境を乗り越えた後、2018年度には「安定成長」に移行し、19年度には営業利益2100億円を目指すという再建の行程表だった。

 しかし、今年度第3四半期の決算もまだ出していないという緊急事態への対応策は不明瞭なままだ。とりわけ、最大の経営課題として立ちはだかるWH問題にどのような決着をつけるのか、はっきりとした道筋は提示できていない。

現実味乏しいWHの早期売却

 WHは企業の破綻処理を専門とする複数の弁護士と契約、東芝は同社の同11条適用申請の検討に入った。麻生太郎財務・金融相が先週の記者会見で11条適用申請の可能性について言及するなど、WH問題が同破産法の下で処理される方向にあることは半ば公然の認識となっている。

 再建型破たん処理手法である同11条の適用申請を選択しない場合、WHの再建にとって重要なカギとなるのは、東芝から同社を買い取る企業が現れるどうかという点だ。会見で綱川氏は「(WHに買い手が付く)可能性がないわけではない」と語った。

 しかし、業界関係者らによると、日本、米国、欧州の既存の原子炉メーカーがWHの引き取りを検討している可能性はほぼないとみられており、WHの過半株式を早期に売却するという東芝の期待は、現実味に乏しいシナリオと言わざるを得ない。 原発メーカーの経営体制は、他の多くの産業と異なり、国家安全保障への影響という視点からの検証も必要になる。仮にWHを中国やロシアの企業に売却する可能性が取り沙汰されたとしても、米国政府がそれを容認するとは考えにくい。