和歌山太陽誘電

和歌山太陽誘電
井口巧一代表取締役社長

 和歌山県日高郡印南町にある和歌山太陽誘電は、高品質・高性能の電子部品を世界中に供給している太陽誘電グループの子会社である。設立は1971年で、当初は電子機械部品の製造などを行っていたが、現在はグループにおける積層チップインダクタのマザー工場として、世界最高水準のものづくりを行っている。

 インダクタとは、電子回路に組み込まれ、主に「電圧を安定させる」「電気信号を整える」働きをするもの。多くの電子部品や回路が密集している電子機器には欠かせない製品だ。同社では2014年6月に、世界初のメタル積層チップパワーインダクタの生産を開始した。「材料になる酸化鉄をメタルに替えて高機能化したインダクタで、積層タイプとしては世界初。トップシェアを獲得しています」と和歌山太陽誘電・井口巧一社長は説明する。

 製品は肉眼で判別しづらいほど小さく、スマートフォンやタブレット端末、パソコンやデジタルカメラなど、私たちの身の回りにある幅広い電子機器で利用されている。

インダクタの大きさは㎜単位以下

 同社では現在、プロフェッショナル人材戦略拠点を通じて、管理職と技術職の人材を募集している。従来、開発はグループ本体で行ってきたが、生産現場の近くで開発する方が生産の立ち上がりが早いため、数年前から同社工場で研究開発部門の強化を図ってきた。そのための戦略的な人材確保である。

  「求人の訴求ポイントは、当社が電子部品業界の中でも最先端のものづくりを行っていること。しかも売り上げの約9割は海外で、出張や出向を含めてグローバルに活躍できるチャンスがあること。さらにインダクタの用途は自動車や産業機械まで広範に及び、今後、市場規模は拡大することが見込まれていること、などです」(井口社長)

 研究者や技術者にとって“働きがい”は立地条件を凌駕する。応募者の理由の多くは「最先端の技術に挑戦できるから」で、その答えは和歌山県の自然豊かな風景の中にある。


会社概要:
1971年設立。2015年に「中紀精機」から社名変更。太陽誘電グループにおけるインダクタのマザー工場として、幅広い分野で用いられる電子機器の高度化に貢献している

 

 

和歌山県プロフェッショナル人材戦略拠点の取り組み

 2015年12月に開設された「和歌山県プロフェッショナル人材戦略拠点」。同県内の中堅・中小企業の"攻めの経営"への意欲を喚起し、成長戦略を具現化するために"プロフェッショナル人材"の活用支援を行っている。具体的には、県内中小企業のニーズ調査を行い、民間人材紹介業者と連携して導入サポートを実施する。プロフェッショナル人材とは例えば、事業企画や運営の経験がある30〜50歳代の都市圏における大企業勤務経験者。

 同拠点は13社の民間人材紹介会社と連携しているため、紹介会社への単独での依頼と違い、幅広いネットワークで、プロフェッショナル人材採用に向け、経営者と人材紹介会社のマッチングをサポートする。


和歌山県プロフェッショナル人材戦略拠点
TEL:073-433-3110
(9:00~12:00  13:00~17:45  土・日・祝を除く)