「水戸黄門」復活、時代劇がビジネス的にもイケる理由

ドラマ『水戸黄門』が武田鉄矢主演で復活する。その意味をビジネスの視点から解説するというのが今回のコラムだ。なぜ、時代劇はテレビから消えていったのか?なぜ、今回、『水戸黄門』が復活するのか?そしてこれから先の時代劇はどうなるのか?

 予言しておくと、10年後のビジネス界では「2017年の水戸黄門復活がひとつのターニングポイントだった」と言われるようになるかもしれない。儲からないビジネスだった時代劇が、儲かるビジネスになる。なぜ私がそう考えるのか、理由をお伝えしようと思う。

 2011年、『水戸黄門』のレギュラー放送が終了した。前後してそれまでゴールデンタイムに何本も放送されていた時代劇ドラマが、地上波放送から消えていった。

 視聴率が低いから時代劇ドラマは消えていった。そう考える人は少なくないだろう。間違ってはいないのだが、細部が少し違う。バブル時代のあるエピソードを題材に話をしたほうがわかりやすいだろう。

バブル期には数字は取れても
効率のよくないコンテンツだった

 時代劇が高視聴率を誇っていた1980年代、番組の人気は高いにもかかわらず、ビジネス界では「時代劇は収益性が低いのではないか?」という根強い疑問が流れていた。時代劇のスポンサーになっている大企業の声を、コンサルタントの私が拾った昔話を端緒として聞いてほしい。