3月14日、米マクドナルドは今月、モバイル注文・決済アプリの運用試験を始めるが、この手のサービスに付きまとう立ち上げ直後の混乱を避けようと、入念に準備を進めている。写真は同社のシカゴにある試験店舗に設置された自動注文機。1日撮影(2017年 ロイター/Lisa Baertlein)

[シカゴ 14日 ロイター] - 米ファストフード大手マクドナルドは今月、モバイル注文・決済アプリの運用試験を始めるが、この手のサービスに付きまとう立ち上げ直後の混乱を避けようと、入念に準備を進めている。

 注文のデジタル化はレストランチェーンにとっても顧客にとっても鬼門だ。この分野で先頭を行くドミノ・ピザはシステムを完全に軌道に乗せるのに数年掛かった。スターバックスはもっと短期間で済んだが、それでも1月にはモバイル注文が殺到して受注残が発生し、時間が惜しい未予約の顧客の足が遠のいたと発表した。

 4年連続で客足が減ったマクドナルドはモバイルサービスを顧客呼び戻しの一手と位置付けるが、導入計画はリスクと無縁ではない。

 ジム・サッピントン執行副社長(オペレーション・デジタル・テクノロジー担当)はロイターのインタビューで「調理のスピードや料理の品質に影響があってはならない」と話した。冷めたフライドポテトが提供されたり、モバイルを利用した顧客が長々と注文を待たされれば、「アプリを使う意味が問われる」と指摘。「あらゆる面で明確に向上を図ろうとしている」と語った。

 マクドナルドによると、より多くの注文を自動化することで、作業時間を短縮し、間違いを減らして、従業員が料理をテーブルまで運ぶ時間を増やすことができる。

 サッピントン氏はこうした目標を達成するため、いくつもの試験を実施していかなる事態にも対応できるようにし、既存のシステムとの融合を完璧にしてからモバイル注文アプリを導入する計画だ。予定では国内1万4000カ所の店舗のほぼ全てと、カナダや英国など海外の約6000店舗で年内に導入することになっている。

 マクドナルドの心臓部であり、モバイル注文の成否を握るのがキッチンだ。

 オークブルック・インベストメンツの共同最高投資責任者(CIO)、ジャナ・サンプソン氏は「キッチン次第で店舗全体の流れが台無しになる恐れがある」と指摘。その上で、マクドナルドはキッチンの混乱を回避しようと手を打っているようだとした。

 同社はシカゴの倉庫にハブ・アンド・スポーク方式のレイアウトを備えたキッチンをあつらえ、オペレーター(運用従事者)の研修を行う。このキッチンは調理の手続きが一カ所に集められている。作業効率が高く、従業員の移動距離が大幅に短縮できる。

 マクドナルドのオペレーター向けに助言を行っているリチャード・アダムス氏によると、フランチャイズのオーナーはキッチンのレイアウトやワークフロー、担当者の配置など、モバイル注文に関わる人的な要因を整えることが義務付けられる。

 また他の多くのレストランと異なり、マクドナルドのモバイル注文では顧客の位置情報を追跡し、間違いのない店舗に正確な時間に注文が送られる仕組みになっている。早く調理しすぎて料理がしなびてしまうのを避けるためだ。

(Lisa Baertlein記者)