「昆虫食」は栄養価の高さで食料資源不足を救うか現代の日本では昆虫食はなじみがないが、世界でみると世界人口の3分の1は昆虫食を食べる習慣があるという

「昆虫を食べる」と聞いたとき、どのような感想を持つだろうか?日本では、まだまだ馴染みのない昆虫食であるが、世界人口の1/3の人々は、昆虫を食べる習慣があるそうだ。昨年から引き続き、米国で注目されている昆虫食のトレンドが、2017年は日本にも上陸しそうな勢いがある。今回は、『昆虫食入門』(平凡社)で紹介されている「昆虫食」の知識について触れながら、昆虫を食べる価値をご紹介しよう。

米国でクローズアップされはじめた「昆虫食」

「昆虫食」は栄養価の高さで食料資源不足を救うか昆虫食入門 作者/内山 昭一 出版社/平凡社 出版日/2012年04月15日

「昆虫食についての科学的な研究は諸についたばかりであり、栄養価も基礎データもまだほとんどない。したがって定説は存在せず、さまざまなアプローチが可能である。(中略)多くの昆虫でタンパク質が乾燥重量の50%以上あり、他の動物性食品に勝るとも劣らない良質な食品である」(『昆虫食入門』より引用。以下、引用箇所は同様)

 本書『昆虫食入門』では、昆虫食の栄養価について、このように解説している。実際に米国では、次世代栄養食品として、昆虫の「コオロギ」が注目を集めた。健康食品を提供している「Exo」社が2014年3月に販売開始した、コオロギ粉末を使った「EXOプロテインバー」が、メディアに取り上げられたのだ。

 では、なぜ「コオロギ」が材料として使用されているのだろうか?本書でも「コオロギはタンパク質と脂肪のバランスがいい」と記載されているとおり、コオロギは完璧なタンパク質である。実際、EXOプロテインバーには1本あたり、約40匹に相当するコオロギが使用され、10gものタンパク質を含んでいるという。