まずは政治・経済の大規模な改革に取り組むことだ。これまでの一部財閥と政治の癒着、財閥企業依存度の高い経済体制などを温存していては、本当の意味で国民の不満を和らげることは難しいからだ。

 ただ、大規模な改革は口で言うほど容易なことではない。既得権益層からの強い反対を押し切って改革を進めなければならない。今、韓国は重大な選択を迫られている。

 では、本当の意味での韓国の改革は可能だろうか。これまでの歴史に照らせば、韓国でそう簡単に改革が進むとは考え難い。少なくとも改革を進めるまでには、長い時間を要するだろう。足許の経済環境が不安定なことも、改革が先送りされる理由になる可能性がある。

 韓国では、縁故や私的な関係を重視する習慣が強い。確かに、一部の有力者などに知り合いがいると、ビジネスを進めたり、許可を得たりする上で有利なことは多い。問題は、韓国の社会全体が縁故を重視した関係に依存しすぎたことだ。

 これが、歴代の大統領経験者、その親族などが財閥企業から不正に資金を受領してきたスキャンダルの温床になっている。韓国の大統領は政治、経済、軍事まで、あらゆる決定権を持つ。先進国のトップに比べてもかなり独裁色が強い。

 そのため、財閥企業の創業者は、国の政治リーダーである大統領に取り入って支援を取り付けようとしてきた。韓国経済が財閥企業の業績拡大に支えられてきたため、時の為政者も財閥の要望は無視できるものはなかったのだろう。こうして政財界の癒着が進んだ。

 アジア通貨危機などを受けて、財閥の解体など表面的には改革が進んだ時期もあった。しかし、今回のスキャンダルが浮き彫りにしたように、実態は変わっていない。韓国は財閥の収益に頼って経済を支えてきた。その一方、中小企業の育成など内需拡大に不可欠な取り組みは進まなかった。この結果、経済格差は拡大し、民衆の不満が高まっていることは言うまでもない。

慰安婦や領土問題が再燃?
中韓関係も冷え込む

 このように考えると、韓国の次期政権の課題は本格的な構造改革に尽きる。 だがそうした改革を進めるのは、口で言うほど簡単ではない。次期政権が改革を進められない場合、国民からの支持を維持するために手っ取り早い手法は、国民の関心を慰安婦問題や領土問題に向けさせることだ。