3月15日、世界的な物価上昇圧力を背景にもはやデフレの脅威は過去のものになったと受け止めた投資家は、物価連動国債で身を守ろうとし始めている。写真は米カリフォルニア州ロサンゼルスで買い物する人たち。2013年11月撮影(2017年 ロイター/Lucy Nicholson)

[ロンドン 15日 ロイター] - 世界的な物価上昇圧力を背景にもはやデフレの脅威は過去のものになったと受け止めた投資家は、物価連動国債で身を守ろうとし始めている。

 ニュージーランドは今月、2年余りぶりに物価連動債を販売。イタリアも先週、需要が上向いてきた機会をとらえる形で30億ユーロ規模の物価連動債をシンジケート方式で発行した。

 イタリアの案件に携わったあるバンカーは「今年に入ってから、物価連動債に対する引き合いが大幅に高まった」と語り、物価連動債の地合いは「完全に一変した」と指摘した。

 指標となるバークレイズ世界物価連動国債指数は昨年12月に付けた9ヵ月ぶりの低水準からは約2%上昇している。

 ほんの1年前まで投資家や中央銀行を苦しめていたのはデフレ懸念で、だからこそ多くの先進国で政策金利がマイナスに突入した。

 足元でも市場はまだ長期的な物価上昇率は低いと想定している。しかし物価圧力の高まりと米トランプ政権の財政支出拡大見通しを背景に、昨年6月の英国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利した後に見られた投資家の超弱気の物価観は修正されてきた。

 市場の予想物価の指標となる物価連動債と通常国債の利回り差(ブレークイーブン・インフレ率=BEI)は過去半年間、欧米で拡大しており、予想物価が上がってきていることが分かる。

 米国の場合、期間10年のBEIは約2%で、1月には2014年9月以来の高水準を記録。米連邦準備理事会(FRB)が向こう10年は2%の物価目標を達成できないと見込まれていた昨年7月のBEIは1.5%前後だった。

 ドイツの10年BEIも現在1.41%と、欧州中央銀行(ECB)の物価目標(2%弱)には届かないが、昨年の1%足らずからは改善した。