3月17日、野村証券が約20年ぶりにリテール営業の大幅な改革に着手する。全国の部支店を地区ごとに統括してきた「地区担当制」を撤廃、支店長がこれまで以上に権限を持ってノウハウや商品を供給する体制に変える。写真は野村のロゴ、都内で2016年11月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 17日 ロイター] - 野村証券が約20年ぶりにリテール営業の大幅な改革に着手する。全国の部支店を地区ごとに統括してきた「地区担当制」を撤廃、支店長がこれまで以上に権限を持ってノウハウや商品を供給する体制に変える。

 顧客の取り込みが思うように進まないなか、今回の組織変更で顧客資産150兆円獲得に向けた態勢を整える。

永井体制で進む改革、資産拡大は道半ば

 野村ホールディングスが永井浩二グループCEO体制になって約4年半。支店営業では、毎月新しく設定される投資信託を販売するような「商品ありき」の営業を止め、老後のための資産形成や相続など、顧客のライフサイクルに合う金融サービスを提供する「コンサルティング営業」に舵を切ってきた。

 野村の顧客資産残高は昨年12月末時点で108兆円に拡大、永井体制のもとで約6割増えたことになる。しかし、この数字はアベノミクス相場の恩恵が大きい。過去1年間は100兆円前後とほぼ横ばい。営業部門担当の山口英一郎専務は「資産拡大が伴っていない」とみる。時価総額の増大で資産残高は増えて見えるが、資金の純流入は伴っていないとの分析だ。

 野村HDは、2020年に1株利益(EPS)100円、顧客資産を150兆円に拡大する目標を示しているが、その達成の前提条件は、日経平均株価<.N225>が2万5000円、ドル円は115円。国内外の株式、債券の価格などから試算すると、このままでは顧客資産は132兆円にしか届かない。

顧客資産18兆円上乗せへ、新たな構想

 野村は過去20年あまり、全国158の本・支店を6つの地区に分け、それぞれの地区を担当する役員が支店の業務推進や意思決定を行う地区担当制のもとで、営業を行ってきた。グル―プ全体の営業戦略は地区担当の役員を通して支店長に下り、例えば特定の顧客へのミーティングの設定は、役員の日程に合わせるよう依頼される傾向があった。