変化の激しい時代だと言われて久しい。グローバル化、ソーシャルメディアの台頭、人口構造の変化など、世界規模で起こる様々な変化に呼応するように、日常の仕事が大きく変化していく。

 このような状況の中で、企業からは次のような声をよく耳にする。「若者がなかなか育たない」「ミドルの成長が停滞している」「シニアのキャリアが描きにくい」。何故このような声が上がるのか。今回は、“自己信頼”という概念の紹介とともに、これらの現象と自己信頼との関係を紐解いてみたい。

 自己信頼とは、「現在の自己、将来の自己に対して、信頼と希望をもっていること」である。この定義をもとに、調査をした結果、分かってきたことは以下の通りである。

自己信頼を構成する3要素
「自分への信頼」「良好な人間関係」「未来への希望」

自己信頼は以下の3要素から構成されていた。

自分への信頼
「将来、状況が変わっても自分を頼りに乗り切っていける」
「将来、困難なことがおきたとしても私は大丈夫だと思う」
「自分は簡単にはくじけないと思う」といった、自分への自信。

良好な人間関係
「同僚から相談されることがよくある」
「人からよく信頼されるほうだ」
「何でも話せる親友がいる」といった、他者から寄せられる信頼。

未来への希望
「新しいことに挑戦していきたい」
「これから新しい経験をしていくのが楽しみだ」
「いろいろな人と出会ってみたい」といった、希望を感じる、未来への信頼。