歴代社長はどんな人物か

 それまでの26年間は、親会社から派遣された4人の社長が経営していました。

 創業社長は、日本電子の開発担当常務を兼任していた水間正一郎氏で、かっては海軍島田実験所所長の超大物でした。
 2代目は、主力銀行から日本電子専務を経て、創業社長の急逝後日本レーザー社長に就任しました(3代目社長のときに会長に就任)。

 3代目は、日本電子のレーザー技術者で、1983年に合併した企業出身でした。

 4代目は、日本電子の海外駐在経験者で営業担当常務から、3代目社長が親会社との合弁会社に転出後就任しました。

 このときの会長は、主力銀行から親会社にきて専務を務めたあとに就任した人物でしたが、この当社2人目の会長を前にして、社員のひとりがこう言ったことがあります。

「会長はいいよな、毎日会社にきて、日経を読んでいるだけで給料がもらえるんだから」

 経営不振になると、社員のモラルも下がっていました。
 この4代目社長と2代目会長コンビが会社を大きく傾かせました。

 5年間のうち赤字が3回、無配が3回。債務超過に陥り、日本電子が保証しても新規融資はストップすると、主力銀行から見放されてしまったのです。

 こんな大変な最中に、5代目社長に就任したのが私です。
 さあ、どこから手をつければいいのか、途方にくれました。
 では、どんなことから着手したのか、次回お話ししましょう。