IoTの活用で
ビジネスの姿はこう変わる

 小売業を例にどんな変化が起きるのかを考えてみよう(図)。小売業ではネット通販が急速に広がっているが、人間の習性を考えるとリアルな店舗でのショッピングがなくなることはないだろう。むしろネットとリアル店舗を連動させて顧客ごとにきめ細かい対応ができるかどうかがポイントになる。そこで重要な役割を果たすのがIoTだ。

図 小売店におけるIoTの活用例
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 ネット通販をしている顧客が店舗を訪れると、顔認識センサーやスマホ連動センサーによってその顧客を特定。ネット通販の履歴から興味を持ちそうな商品のお買い得なクーポンをスマホに送信したり、店内のモニターに興味を持ちそうな商品を映し出すなど、購買を促すトリガーを仕掛けることができる。

 ネットで商品の取り置きを依頼していた顧客が来店した場合には、その商品が倉庫のどこにあるかが、店員にリアルタイムに指示される。店側の倉庫の中の商品を探す時間が短縮でき、顧客は待たされることなく商品を手にできる。

 さらに店舗を運営する企業は、顧客がどの動線を歩き、どのエリアに滞在し、何を買ったかなどのデータを分析することで、商品の品揃えや価格設定、店内のディスプレイ方法や店舗のレイアウトを改善するための指針を得ることができる。

 こうしたIoTの世界を支えているのが、半導体メーカーであるインテルである。モバイルデバイス、コンピュータ、通信機器まであらゆるデータを処理するための核となる半導体を提供する同社は、モノに搭載される組み込み系の半導体も提供し、モノからネットワーク、クラウドまでIoTにおけるデータの流れ全体を支援している。

「IoTはハードウエアやソフトウエア、ネットワークなど多く要素で構成されているため、1社で全体をカバーすることは難しい。当社はIoTの中核となる技術を提供するとともに、多くのパートナー企業同士の連携を促進して、IoTのエコシステムを整備しています」と佐藤氏は同社の役割を語る。

 同社の事業はあくまでも半導体製品が中心だが、それを利用するためのハードウエアやソフトウエアも用意している。小売業であれば、前述したIoTを活用した仕組みは、「インテルレスポンシブル・リテールプラットフォーム」という名で提供されており、各パートナーはそれを利用して小売業向けのIoTソリューションを展開することができる。