急激な経済発展とともにスポーツ愛好者が増加している中国。とくに国民的スポーツともいえるバドミントン人気は凄まじく、2008年の北京オリンピック、10年のアジア競技大会などで市場はさらに大きく成長している。そんな中国でバドミントンブランドとしての確固たる地位を獲得しているのがヨネックスだ。同社は現地法人と販売代理店契約を結び、販売店舗と売上を伸ばし続けている。そしてヨネックスが次に目指すのが、中国ゴルフ市場。昨年、上海に現地法人「ヨネックス(上海)ゴルフ貿易株式会社」を設立した同社は、バドミントンと同様にヨネックスブランドを確立できるだろうか。ヨネックス(上海)ゴルフ貿易株式会社の董事でもある同社の海外営業統括を行う柳敬一郎常務取締役に、その戦略を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子)

20年以上前から「進出の種まき」
ヨネックスブランドが中国に根付くまで

――現在、バドミントンとテニス、ゴルフ関連商品を中国で展開されている御社ですが、どのような仕組みで販売を行っていらっしゃるのですか。

中国バドミントン市場で一躍人気ブランドに!<br />ヨネックスが国民的スポーツに浸透できた理由<br />――ヨネックス・柳敬一郎常務取締役に聞く「中国進出の種まき」ヨネックス・柳敬一郎常務取締役

 バドミントン、テニスについては提携している販売代理店を通じてラケットはもちろんのこと、ウエアやシューズ、シャトルなどの関連商品を含めて販売をしています。現在、3500~3600の販売店で商品を扱っていただいており、そのうちの15%はヨネックスの商品だけを専門的に扱ってくれているコンセプトショップです。

 一方でゴルフは、バドミントンやテニスとは事業の形態が全く異なります。代理店などは介さず、昨年7月に設立した現地法人でゴルフ用品の販売を行っています。

――中国進出はいつ頃から視野に入れていたのですか。

 本格的な販売の進出は2000年頃のことで、決して早い段階からというわけではありませんでした。ただ、いろんな種まきは進出する以前からしていましたし、ビジネス面での付き合いは昔からずっとありました。

 古くはバドミントンで使用するシャトルコックの原材料である水鳥の原毛の買い付けで関係がありました。1965年(昭和40年)頃で、まさに文化大革命の真っ只中でした。