3月22日、「ドシンという鈍い衝撃音がして振り向くと、9メートルほど離れたところに男性が倒れていた」と、ロイターのカメラマン、トビー・メルビル記者は、英ロンドンの国会議事堂付近で発生した襲撃事件で、ウェストミンスター橋から下の歩道に男性が落ちたときの状況をこう語った。写真は橋の上で負傷者を助ける女性(2017年 ロイター/Toby Melville)

 

[ロンドン 22日 ロイター] - 「ドシンという鈍い衝撃音がして振り向くと、9メートルほど離れたところに男性が倒れていた」ロイターのカメラマン、トビー・メルビル記者は、英ロンドンの国会議事堂付近で22日発生した襲撃事件で、ウェストミンスター橋から下の歩道に男性が落ちたときの状況をこう語った。

 この日、ロンドン中心部は平穏な午後を迎えていた。メルビル記者は英国の欧州連合(EU)離脱に関する記事のため、議事堂周辺で写真を撮っていた。

 男性が橋から落下してきた午後2時半ごろ、メルビル記者は議事堂とは反対側となるテムズ川南岸の橋の下に立っていた。

「彼の頭から大量の血が流れて出ていた。これは国内で起きた恐ろしい事件に違いないと思った」とメルビル記者は話す。

「思い出せる限り、もっとも大きな音がしたのは最初のドシンという音で、男性が私の後ろに落ちてきた衝撃だったのだと思う。とにかく私の頭の中は比較的冷静だった」

 メルビル記者はすぐに救急医療サービスに電話し、負傷した男性のことを知らせるため近くのセントトーマス病院に行くことにした。橋に通じる階段を昇ると、そこで今度は歩道に倒れているけがをした女性を発見した。

「この時点で、誰かが橋から落ちたというだけの事態ではなさそうだと思った」とメルビル記者。他の通行人たちも、犠牲者を助けるためすでに駆けつけていた。メルビル記者は橋の上から写真を撮り始めた。

 英警察によると、同事件により4人が死亡、約40人が負傷した。車がウェストミンスター橋の歩道に突っ込み、通行人3人が犠牲になったほか、警官1人が犯人の男に刃物で切りつけられて死亡した。男は射殺された。

「10人以上いるなかの一部の人は意識があるようだった。当時、車両が関係していたとは知らなかった。ある人は『バス』だと言い、また別の人は『車』だと言った。『銃撃』と言った人もいた」とメルビル記者は話す。

「まったく非現実的で、これが深刻な事件で大勢の人がけがをしたということを瞬時に理解しなくてはならなかった」

(Michael Holden記者 写真:Toby Melville記者)