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実録 さぬき“町おこし”プロジェクト
【第5回】 2011年6月6日
著者・コラム紹介バックナンバー
佐々木繁範 [リーダーシップ・コミュニケーション・コンサルタント]

お遍路を回りながら、
自分自身の至らなさに気づく

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初めての試作品発表会は失望のうちに終わった。オリジナリティがまったくない。何の変哲もないまんじゅうで、全国で通用する菓子どころではなかった。しかし、十河会長の厳しい言葉を受け、もう一度試作品に挑戦することになった。

 「お遍路さん、しませんか」。8月のある日、私は商工会の永峰指導員に話を持ちかけた。

 「大変ですよ。予算もつかないですし」。いつもの淡々とした口調で永峰指導員は答えた。

 「かまいません。今、お菓子事業者さんは四苦八苦して試作品をつくってくれているんです。その間に、私たちで八十八カ寺、回りましょう」

 プロジェクトの成功を祈るのはもちろんだったが、なによりお遍路にまつわるお菓子をつくる以上、実際に自分たちでも回ってみるべきだと思ったのだ。その土産菓子を買ってくださる人、そのお土産を受け取る人の願いが叶うよう、祈りを込めて。

 最初は二人で回るつもりだったが、幸いなことに、カメラマンの岩城文雄氏が日本一の土産品を作るというプロジェクトの志に賛同してくれ、なんと、全行程を記録してくれることになった。

 スタート地点は、徳島県にある一番札所、霊山寺だ。そこで白衣、半袈裟、数珠、金剛杖、笠、お経、線香、ろうそくなど、必要なものを買い揃える。これらを身につけると、お遍路姿の出来上がりだ。

見よう見まねで、お参りの作法に従う(撮影:すべて岩城文雄)

 お参りには作法がある。まず、山門の前でお辞儀する。門をくぐったら、手を清める。池の上にかかった橋を通るときは、杖をついてはいけない。弘法大師が橋の下で休んでいるかもしれないからだそうだ。

 

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佐々木繁範 [リーダーシップ・コミュニケーション・コンサルタント]

リーダーシップ・コミュニケーション・コンサルタント。ロジック・アンド・エモーション代表。
1963年福岡県北九州市生まれ。1987年に同志社大学経済学部を卒業後、日本興業銀行に入行。1990年にソニー株式会社に入社。盛田昭夫会長の直属スタッフとして企業外交を補佐、その間にスピーチ・ライティングを学ぶ。1995年から97年までハーバード・ケネディ・スクールに留学、公共経営学修士号を取得。帰国後、2001年まで出井伸之社長の戦略スタッフ兼スピーチ・ライターを務める。ソニーでは計100本以上のスピーチ・サポートを手がけると ともに、IT戦略会議の議長補佐として、IT国家戦略の策定にも携わる。その後、数社にて経営改革に携わり、2009年に経営コンサルタントとして独立。リーダーシップとコミュニケーションを専門とし、経営者やリーダーの組織求心力と影響力の向上を実現するためのメッセージ発信を支援している。ホームページ:http://www.sasakinet.jp
著書に『思いが伝わる、心が動くスピーチの教科書』(ダイヤモンド社)がある。


実録 さぬき“町おこし”プロジェクト

これといった名産品もなく、過疎化の進むさぬき市で町おこしプロジェクトが始まった。カネも知恵も他人任せの依存体質から脱却し、全国に誇れる土産物の開発へ。町おこしに携わった経営コンサルタントが、紆余曲折、地方都市の自立の軌跡を赤裸々に紹介する。

「実録 さぬき“町おこし”プロジェクト」

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