[東京 27日 ロイター] - 3月ロイター企業調査によると、米トランプ政権の税制改革で輸入品に課税する国境調整税が共和党の主張通り20%となった場合、収益に「影響がある」とする企業が製造業の5割にのぼることがわかった。その場合は、コスト削減や米国内の生産増・調達加速などで対応するとの回答が多かった。

自社努力で影響を吸収できる課税率については、0─2%程度までと答えた企業が過半数を占めた。

この調査は資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に3月7日─21日に実施。回答社数は246社程度。

国境調整税により輸入品に20%の課税が行われた場合、輸出産業の多い製造業では収益に「かなり影響がある」が18%、「やや影響がある」が33%となり、合計51%が影響があると回答。「かなり影響がある」との回答が多かったのは輸送用機器で54%、電機で29%となった。「影響はあまりない」も49%を占めた。

収益に影響するとみる企業の多くが懸念しているのは、輸入品課税に伴う米国での物価上昇だ。「米国での消費の低迷につながる」(金属製品)として、米経済全体に影響するとの見方が多い。

「産業界全般で中長期的に米国離れが進むことになるのではないか」(ゴム)とみている企業もある。

物価上昇により結局は米経済に悪影響を与えることから「実現可能性が不透明」、「中長期ではトランプ支持層にも悪影響があるのではないか」(いずれも輸送用機器)として、「一時的には米国経済が良くなっても長続きしない」(紙・パルプ)との見方も多い。

非製造業では「やや影響がある」が20%。「影響はあまりない」が80%だった。こちらも「米国経済自体へのマイナスインパクト」(通信)を理由として、多くが「実行は難しい」(サービス)とみている。 

影響があると回答した企業に、収益悪化にどのように対応するか聞いたところ、製造業の38%が「製品・サービスコストの削減努力」を、28%が「米国内での生産増や調達加速」を挙げた。「米国事業での値上げ」との回答は17%にとどまった。課税されても製品価格には転嫁せず、コストを吸収するか、米国内での調達を増やすなどの対応を取る企業が多い。

ただ「何も対応しない」との回答も28%を占めた。実現に不透明感が強いため、様子見する企業もあるようだ。

どの程度の税率までなら自社の努力で影響を吸収できるか聞いたところ、製造業では2%程度までとの回答が56%と最も多かった。5%程度まで許容可能との回答も39%を占めた。

(中川泉 編集:石田仁志)