紹介してもらう方法

須賀 青木さんは、紹介に関して、どのように教えていますか?

青木 紹介の仕方が分からないというのもあるんですが、そもそも、営業フレーズがわかっていないんですよね。うちでは、「商品を購入したら、何がよかったですか?」とお客様に聞くように指導しています。「どうですか?」と聞いてしまったら、いいところも悪いところも言うので、この質問はNGです。

そして、「(前と比べて)どのような変化がありますか?」3か月でトップセールスになる質問型営業最強フレーズ50フレーズ39)と、あくまでもポジティブな面を聞く。

須賀 確認作業ですね。

青木 そうです。お客様に「自分の判断に間違いはなかった」と確認してもらう作業です。すると、「この内容をお伝えしたい人はいますか?」3か月でトップセールスになる質問型営業最強フレーズ50フレーズ44)を使ってナビゲートしていく。

このフレーズがわからない人が多いですね。できるリーダーは、なんとなくこれをやっている。自分が無意識にできているから、自覚がない。そういうのを分析して、どのように言えばいいのかを私は教えているわけです。

リーダーが自分の言葉でビジョンを語る

須賀 私は、トップセールスはいらないという考え方です。トップセールスがいると、上司もチームもその人に頼ってしまう。この人が抜けると、とたんに店舗が崩れてしまう。その代わりに、落ちこぼれをつくらないようにします。全員が平均レベルより、ちょっと上を目指す。これが連続達成の最大のコツですね。

本にも書いたのですが、トップをとれる男がチームにいたんです。しかし、彼は自らならなかった。本当にすばらしい男です。同じ時期、売上に苦労している人がいました。優秀な彼は受注寸前まで商談の話をまとめて、その人にスイッチ。

彼は今マネジャーになって、そのチームは売上ナンバーワンになっていましたね。

青木 そういうチームになるために、何をすればいいのでしょうか。

須賀 本の帯に書いてある「なぜ、寄せ集めの集団が最強の組織に変わったのか?」の答えになりますが、リーダーがすべてです。リーダーが方向性を示し、その意を組んだスタッフが力を発揮する! これです。

リーダーが与えられた組織をどうしたいのか、自分の言葉で語ること。チームをまとめるには、「こうしたい」というビジョンが大事。

人は何を考えているかわからない人に付いていかないものです。私も経験があります。何を考えているかわからない上司には付いていかないです。

青木 私なんかは、トヨタのビジョンがあって、みんな一人ひとりがやってそうな気がしますけど……。

須賀 全員が全員、そうというわけではないですね。経営方針はきちんと出てきても、それを下におろすだけでは、何のための中間管理職かということです。上から来たものをそれを具体化するために、「私たちはこうするんだよ」と伝えるのがリーダーの務め

店長、マネジャーの位置づけが今後もっと大事になってくるはずです。

青木 須賀さんはどんなビジョンを掲げていたのですか?

須賀 私は「全国ナンバーワンの店舗にしよう!」と。みんな、キョトンとしていましたけどね(笑)。

でも、語らなきゃダメ。語らないリーダーが多い。できなかったら、追及されるんじゃないかと思っているようだと、下はついてこない。

青木 私は、請負業だから、絶対にコミットはしますが、「お役に立つ」ことがいちばん重要で、結果は数字でしかないと言います。

最初は、「結果は置いておけ」と言っておきながら、最後には「数字はどうだった?」と、私は聞きますけどね(笑)。