そこで01年に、当時としては画期的な脂性肌、乾燥肌など個人の頭皮タイプ別に頭皮専用のシャンプーを開発。これが、スカルプDの前身、クリニック専売品「スカルプソープ」だ。

 05年に市販商品として初代「スカルプD」を発売し、以来、頭皮の保湿を高めるもの、バリア機能を高めるもの、イソフラボン含有の独自の豆乳発酵液、血行促進のための独自の人参エキスなど機能性を向上させてきた。現在は12代目の商品で、今年中に次代の新商品も発表予定だ。

 目下、同社では「薄毛になりにくい理想的な頭皮モデルを規定しています」(波間シニアフェロー)。頭髪治療専門のクリニックの臨床データや各種研究結果を基に、頭皮の水分量、皮脂量、柔軟性や厚さなどの理想型の指標をデータとして保有。商品開発の方向性は、理想型の頭皮を目標に頭皮そのものを変えるものだという。

セミナー会場では無料で頭皮チェックを受けることができる

 加えて、最新の研究で、頭皮マッサージは血流を良くしたり、頭皮を柔らかくしたり、リラックス効果があるだけではないことが判明した。

「力学的刺激により、発毛の促進と脱毛の抑制の遺伝子を発現させ、毛を太くするという実験結果が得られました」(波間シニアフェロー)

 シャンプーだけではなく、パナソニックとの共同開発で「頭皮エステ メカノバイオ」というマッサージ器を発売している。意図的に物理的な刺激を与えて、組織の修復や再生を促すメカノバイオロジー分野へも事業領域の可能性が広がる。

頭皮のケアから
健康全般へ

こうした商品による、薄毛の予防や頭皮の細胞活性は、早ければ早いほど良い。例えば25歳で薄毛の兆候が見られたら、すぐに予防や治療をすれば、元に近い状態に戻せるが、10年、20年たって薄毛が進行してから治療しても元には戻せない。