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SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術
【第5回】 2017年3月30日
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ショーン・スティーブンソン(著),花塚 恵(訳)

コーヒーで眠気をとばすとヤバイ これだけの理由

全米で話題沸騰中の21の睡眠メソッドを集約した、『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』。本連載では同書の中心的なメソッドを紹介していきます。食事、ベッド、寝る姿勢、パジャマ――。どんな疲れも超回復し、脳のパフォーマンスを最大化する「睡眠の技術」に注目です!

「コーヒーを飲むと眠れなくなる」は本当

カフェインは神経系に強い影響を与える刺激物だ。神経系がクリスマスツリーのように点灯すれば、上質な睡眠はとても得られない。とはいえ、コーヒーを好む人はとても多い。

学術誌『ジャーナル・オブ・クリニカル・スリープ・メディスン』に、カフェインが睡眠に及ぼす影響についての重大な見解が掲載されていた。
「仕事を終えた帰り道にマグカップ1杯のコーヒーを飲むと、睡眠に悪影響が生まれ、その影響力は寝る前にカフェインを摂取する場合と同等と思われる」

その実験では、複数の被験者に異なるタイミング(寝る間際、寝る3時間前、寝る6時間前)でカフェインを摂取させた。すると、全員の睡眠が大幅に阻害されたことがはっきりと数値に表れたという。要するに、寝る直前はおろか、寝る6時間前であっても、カフェインを含むコーヒーやお茶を飲めば睡眠が阻害されることが明らかになったのだ。

寝不足の悪循環は、まさにこのようにして始まる。カフェインのせいで十分な睡眠がとれなければ、目覚めても疲れがとれていない。疲れがとれていなければ、これまで以上にカフェインが欲しくなる。カフェインの量を増やせば、睡眠の質と量はさらに悪化する、というわけだ。

カフェインには二つの特徴がある。一つは、コーヒーや紅茶、チョコレートなど、カフェインが含まれているものは総じて美味しいこと。そしてもう一つは、人体との親和性が高いことだ。カフェインを摂取すると、身体も心も状態が上向きになる。だからこそ、中毒性があるのだ。

カフェインはエネルギーにならない

一方、多くの人が誤解しているようだが、カフェインがエネルギーになることはない。目覚めているあいだじゅう、脳細胞は活発に動いている。その結果、「アデノシン」と呼ばれる副産物が生まれる。アデノシンを単なる老廃物だと思ってはいけない。脳は絶えずアデノシンの増減に目を光らせている。というのは、脳と脊髄にあるアデノシンとその受容体の結合が一定レベルに達すると、とたんに身体が眠気を催すのだ(眠気とまでいかなくても、リラックスした気分になる)。そこへカフェインがやってくるとどうなるか。

カフェインには、アデノシンの受容体と結合できるという特異な性質がある。これは、カフェインとアデノシンの構造がよく似ているからだ。普通なら、受容体の周りは本物のアデノシンでいっぱいなので、身体は休息モードに移行する。しかし、そこへカフェインがやってくると、いつまでたっても帰らない親戚のように居座る。カフェインはアデノシンではないので、疲れを感じさせる作用は起きない。その結果、脳と身体の細胞は活動を続け、本当は眠いのにそうと気づかない

脳や身体が目覚めている状態で活動を続ければ、アデノシンはどんどん生成される。だが、カフェインが居座っている限り、アデノシンは正常に代謝できない。そうすると、体内の働きも変わらざるをえなくなり、神経系内でストレスホルモンが増大する。脳や臓器は休息や回復の指示を正しくもらえず、働き過ぎてしまう。

カフェインの影響力は長く続くので、完全になくなるのに数日かかることもある。人体でのカフェインの半減期は5~8時間だと言われている(個人の体質による)。「半減期」とは基本的に、一定時間(例:8時間)が過ぎた後でもまだその半分の量が体内で活動しているという意味だ。

たとえば、体内におけるカフェインの半減期が8時間だとしよう。その場合、200ミリグラムのカフェイン(普通のコーヒー1、2杯ぶんに相当)を摂取したら、8時間後もその半分(100ミリグラム)は体内に影響を及ぼすことになる。さらに8時間後でも50ミリグラム、さらに8時間後でも25ミリグラムが体内で作用する。寝る6時間前に摂取したカフェインですら睡眠を阻害した理由はこれにあったのだ。

コーヒーと上手に付き合う方法

カフェインは身体に強い影響を与える刺激物であり、元気の源として大事に扱えば、ちゃんとそうなってくれる。ただし、カフェインの恩恵に最大限あずかりたいなら、体内に残留しない頻度で摂取するよう身体を慣らす必要がある。ここからは、カフェインを味方につける方法に話を移そう。

・コーヒーは午後2時まで
カフェインを身体に入れる「門限」を決めよう。寝るときは、体内からカフェインがほぼなくなった状態でないといけない。お勧めの時間は午後2時。カフェインに敏感な人はもっと早くてもいい。心配なら、カフェインは一切とらないほうが賢明かもしれない。

・午前中のカフェインは身体のリズムを整える
カフェインによって分泌される睡眠阻害ホルモン――コルチゾールは日中の生体リズムを整えるうえで重要な役割を果たすこともある。コルチゾールは本来、日中にたくさん生成され、夜になるとほとんど生成されないホルモンだ。日中の生成量が下がった、生成サイクルが完全に逆転したという人は、カフェインのとり方に気を配ることで本来のサイクルに戻りやすくなる。

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