[モスクワ/ワシントン 27日 ロイター] - ロシアのクリミア侵攻を受け欧米による制裁下にあるロシア開発対外経済銀行(VEB)は27日、同行幹部が昨年12月、トランプ大統領娘婿のクシュナー氏と会っていたと明らかにした。

クシュナー氏は、昨年12月に駐米ロシア大使と会ったことはすでに認めているが、新たにVEB幹部と接触した可能性が浮上した。

VEBが電子メールで送付した声明によると、昨年の投資家説明会において、同行幹部は欧州やアジア、米国の大手銀行や財界の代表者と会ったが、その中にクシュナー・カンパニーズを率いるクシュナー氏がいたという。VEBは、面会した日時や場所は明らかにしていない。

この件に関しクシュナー氏は現時点でコメントを出していない。

複数の米当局者によると、昨年12月にトランプタワーで行われ、辞任したフリン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)も出席したロシアのキスリャク駐米大使との会合後、クシュナー氏は同月、VEBのセルゲイ・ゴルコフ頭取と面会したという。

ホワイトハウスのヒックス報道官はこれら会合が行われたことを確認したうえで、重要なことは何も議論されなかったと語った。

議会関係者2人によると、上院で調査に関わっている一部の議員は、クシュナー氏とフリン氏がゴルコフ頭取、あるいは他のロシア当局者や金融業界幹部と、もし新政権が制裁を解除した場合、ニューヨーク市5番街666番地、もしくはクシュナー氏の実家が経営する不動産開発企業クシュナー・カンパニーズやトランプ氏の所有する他の不動産に投資する可能性について議論したかどうかについて質問したがっているという。

<上院委で証言へ>

米大統領選へのロシアの関与について調査している米上院情報委員会は、クシュナー氏を含むトランプ氏の関係者らとの面会を申し入れており、クシュナー氏は同委員会で証言することに同意したという。

ホワイトハウスのスパイサー報道官は、「クシュナー氏は選挙期間中から政権移行期間において、外国政府や当局者とのやり取りで窓口となって対応に当たってきた。主要な役割を果たしてきた経緯を踏まえ、情報委員会で証言することを自ら申し出た」と述べた。ただ、日程についてはまだ確定していないとしている。

米国の制裁対象になっている企業の代表者と単に面会しただけでは、制裁や法に違反することにはならない。

<トランプ氏の選挙運動で活躍>

クシュナー氏はハーバード大学を卒業し、ニューヨーク大学でも法学の学位と経営学修士(MBA)を取得。トランプ氏同様、クシュナー氏も不動産業界の大物である父親の跡を継いだ。

2009年にトランプ氏の長女イバンカさんと結婚。昨年6月に始まったトランプ氏の選挙運動において、早くから頭角を現した。選挙運動のほぼあらゆる側面に関与し、重要な人事、戦略、演説、資金集めなどの分野でアドバイスを提供した。

クシュナー氏はクシュナー・カンパニーズの指揮を執り、25歳のときに買収した週刊紙「ニューヨーク・オブザーバー」の発行人でもある。

一方、妻のイバンカさんも父親のトランプ大統領が2月に上下両院合同会議で行った演説に助言するなど影響力を発揮。ホワイトハウスの当局者は20日、イバンカさんがホワイトハウス西棟の執務室を使い、大統領への助言を行うことを明らかにした。機密情報へのアクセス権と政府支給の電話が与えられるという。

*内容を追加します。