外資系エリートの
買ったマンションは?

 次に、外資系企業の先輩が買ったマンションを見てみましょう。
 先ほどの日系企業の先輩とほぼ同じ2002年頃に、外資系企業の先輩も新築マンションを買いました。場所は東京・銀座、駅から徒歩4分という好立地です。2LDKで広さは76平米。新築時の価格はさぞかし高いだろうと思われるかもしれませんが、実際は約4060万円。ITバブル崩壊後の景気低迷期だったこともあってか、先輩はこのような格安物件を購入できたわけです。
 ではその実在しているマンションが現在どうなっているかというと……現在の参考査定価格は約7490万円。84%も値上がりしているのです!

 ほぼ同時期に、同じくらいの額のマンションを買ったのに、14年後の資産価値では約5200万円もの差が付いてしまっています。すでに郊外にマイホームを買ってしまった人にとっては、目を背けたくなるような結果になっています。

戸建は20年で
価値がゼロに

 マンションではなく戸建を買う場合でも同じです。
 都心は高いので少し郊外に1000万円程度の土地を買い、3000万円くらいの建物を建てる。こんなパターンで戸建を買う人は多いですが、これにも問題があります。

 まず、日本全国で一部の都市を除いて土地価格は下落基調にあること。住宅ローンを払い終わる頃には、残念ながら郊外の土地の価値は落ちていることがほとんどでしょう。

 また、建物も木造なら約20年で価値がゼロになってしまいます。これは日本だけの考え方なのですが、たった20年で建物の価値はなくなり、売却する時はほぼゼロ円、つまり土地だけの価格で査定されて売値が決まってしまうのです。

 ですから日本で戸建てを購入した場合、住宅ローンを払い終える頃には、マイホームの資産価値は買った時の半分以下になってしまうわけです。そうなると足腰が弱ってきた老後に、戸建を売って駅近の便利なマンションに住み替えようと思っても難しくなります。

 戸建には戸建のメリットが多数ありますが、そのメリットを享受するために、通勤時間を犠牲にして郊外に家を買ってしまう人は多くいます。

 しかし、何十年も通勤して一生懸命働いて住宅を自分のものにするために支払を続けてきたのに、資産は蓄積されるどころか減っていってしまう。これでは何のために通勤地獄に耐えているかわからないと言えるのではないでしょうか?

(続く)

生形大(うぶかた・だい)
1977年8月生まれ 富山県富山市出身。横浜国立大学工学部建築学科卒 横浜国立大学大学院修了。外資系証券(バークレイズ証券・JPモルガン証券)出身の投資家。現在、国内12棟189戸、海外3戸、都内の戸建て・区分マンション4戸の不動産を所有。不動産以外にも株・FX・先物・オプション取引・オフショアファンドなどあらゆる金融商品に精通。現在は資産運用の専門家として独立し、成功者続出の投資家を養成するスクールの運営、不動産投資セミナーの人気講師として、経済的、時間的な自由を志すサラリーマンに指導を行っている。主な出演メディアにサタデープラス(TBS系列)。主な著書に『年収1億円を生み出す[ハイブリッド]不動産投資』(ぱる出版)がある。