「老後破産」「下流老人」といった言葉が頻繁に語られる中、老後の生活に不安を感じているサラリーマンは少なくないだろう。では、どうすれば不安を解消できるのか。そのために今何をすればいいのか。サラリーマンの老後問題について、書籍やセミナーを通じて情報を発信し続けている経済コラムニストの大江英樹氏に話を聞いた。

 老後のライフプランなどをテーマに年間100回以上のセミナーを行っている大江英樹氏は、聴講者に毎回聞く質問があるという。それが「自分の退職金の額を知っているか」「年金を幾らもらえるか知っているか」。

 しかし、いずれもほとんど手が挙がらないという。「皆さん老後に不安を感じているのに、その中身や解消する手段について、どこか人任せというか、無関心なように思います」と指摘する。

投資など資産運用は
現役時代から始めるべき

大江英樹氏
経済コラムニスト
オフィス・リベルタス代表
大手証券会社で25年間にわたって、確定拠出年金をはじめとする個人の資産運用業務に従事。定年退職後、オフィス・リベルタスを設立。「サラリーマンが退職後、幸せな生活を送れるよう支援する」という信念の下、執筆やセミナーを行う。『老後貧乏は避けられる』(文化出版局)、『定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!』(日経BP社)など著書多数。

 その上で大江氏が不安を解消する方法としてアドバイスするのが、「老後の生活の収支を知ること」だ。「退職金や年金といった『入』だけでなく、退職後にどのような生活を送るつもりで、そうすると毎月どれぐらい『出』が生じるのか。それを把握することがまず必要です」。

 そこで自分が90歳まで生きると仮定した場合に、どれだけ不足するかが見えてくる。不足分を補う手段は三つある。①老後月数万円でも稼ぐというのも含めて、さらに収入を増やす、②住宅ローンや生命保険を中心に現在の無駄を見直して支出を減らす、③投資をはじめとする資産運用で増やす、である。

 「もちろん、資産運用は必ずしも増えるとは限りません。そのリスクに自分がどれだけ耐えられるかを自覚しておくことも重要です」と大江氏。その上で資産運用の大原則として伝えているのが「あくまでも自分の頭で考えて判断すること」「自分で勉強し、努力をしなければ収益は得られない」ということだ。

 さらに、これまで投資をしたことがないという人であれば、「自分が理解できる範囲で行う」「分散して投資する」のが良いと大江氏は語る。「最近はオプションなどで複雑な金融商品も出てきています。商品の仕組みを完全に理解してから行う、というのは投資の基本です。また、分散投資はリスク低下に役立ちます」。

 最後に、大江氏が警鐘を鳴らすのが、退職金というまとまったお金を手に入れてから株式や投資信託を買うという、いわゆる「退職金投資デビュー」の危険性だ。「投資は水泳のようなもので、何十冊本を読んだからといっていきなりできるものではありません。資産運用をするならば、現役のうちから少額でもいいので経験を積むことが大切です」とアドバイスを送る。

 新年度は新しいことを始めるきっかけにもなる。まずは自分の老後の収支を把握して、少額でもよいので資産運用を始めてみてはどうだろうか。


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