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グローバル化する大相撲
相撲協会に必要なのは「伝統」を捨てる勇気

――琴欧洲の優勝で改めて問われる相撲界の意識改革

相沢光一 [スポーツライター]
【第15回】 2008年5月27日
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 大相撲五月場所は大関・琴欧洲の優勝で幕を閉じた。ヨーロッパ出身力士としては初の幕内優勝。202センチの長身でスマートな体型のうえマスクはよく人柄も温厚だ。そんな好感度の高い力士が、ヒール・朝青龍を倒して賜杯を手にしたのだから、大いに盛り上がった。

 今後の話題は当然、琴欧洲の「綱取り」に集まる。これに勇気づけられて、実力はあるのに足踏みを続けている把瑠都、黒海らヨーロッパ出身力士も奮起することだろう。モンゴル勢の天下をストップさせる流れが生まれ、これに日本人力士が絡めば、土俵はさらに盛り上がるはずだ。大相撲は本格的に国際的なスポーツに変わりつつある。

力士死亡事件後も
相次ぐ暴行問題

 ところが、運営する日本相撲協会は古い体質を抱えたままだ。場所中に再び、弟子に対する暴行があったことが明らかになったのである。陸奥部屋で1月、十両力士が弟弟子を料理用おタマで頭を殴打。殴られた力士は8針縫うケガを負った。また、間垣部屋では五月場所4日目に親方(元横綱若乃花)が弟子を竹刀で叩いていたことが明らかになった。

 陸奥部屋では暴行の事実を相撲協会に自ら報告し謝罪会見を開いたが、間垣親方は当初、

 「いけないことをしたらヤキを入れるのは当たり前。良くしようと思ってやったことだ」

と平然と答えていた。この調子では他にも少々の暴行はまだあるだろう。昨年6月、時津風部屋で起きた力士暴行死事件の反省が現場では徹底されていないのである。

 ただし、大相撲の伝統を考えると、この感覚が根強く残っていることも仕方ないのかもしれない。

「伝統」として許されてきた
暴行まがいの“シゴキ”

 大相撲は超人の世界だ。幕内力士の立ち会いの衝撃力を測ると800キロから900キロの数値が出る。大型力士になると1000キロ、つまり1トンにもなる。立ち会いは両者が当たるから衝撃は2倍。2トン近い衝撃を受けることになる。2トンといえば大型乗用車と同じだ。力士の中には頭から突っ込む者もいる。頭と頭が「ゴンッ」と激しくぶつかるわけだ。普通の人なら、そんな当たりを受けたら瀕死の重傷を負う。だが、力士は平然と相撲をとり続ける。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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