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書籍づくりの匠
【第3回】 2011年5月21日
著者・コラム紹介バックナンバー

装丁家の醍醐味は、
世の中に影響を与えられること
装丁家・重原隆氏(前編)

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『書籍づくりの匠』では、本作りに携わるさまざまなプロフェッショナルの方がたに、ご自身のお仕事を語っていただきます。

今回と次回の2回にわたって、装丁家の重原隆さんにお話を伺います。手がけた書籍は、年間150点以上、累計で1600冊以上という重原隆さん。前編の今回は、お父さまもグラフィックデザイナーとして長く活躍されたという重原さんの原点から、書籍の仕事に進んだきっかけ、そしてロングセラー『プロフェショナルの条件』誕生秘話までを聞きました。

父の背中で見たデザイナーの世界

 僕は金沢美術工芸大学出身で、現在デザイナーをしていますが、実は父も同じ大学出身で、グラフィックデザイナーとして70歳まで現役で働いていました。自宅で仕事をしていた時期もあって、幼い頃から父の仕事ぶりはよく見てましたね。

重原隆さん。手がけた書籍は1600冊を超える。

 小さい頃から絵を描くのは得意でした。父親に「車の絵を描いて」と言えばうまく描いてくれましたし、それを見て僕も真似て描いたりしていましたから。生まれ育った環境は大きいと思っています。自分で言うのも何ですけど、物心ついた頃には、周りより絵は得意と思っていました。それさえあればみんな注目してくれましたから(笑)。

 だから、仕事についてもほかのことを考えていない。絵が得意だから、父がやっているような仕事に就こうと思っていました。絵が得意、と言うと「絵かき」という選択肢もあると思いますけど、デザイナーでしたね、僕にとっては。

 でも、父がやっている仕事が楽しそうだとは思っていなかったです。徹夜ばっかりしているし(笑)。といっても、今は僕も明け方に寝て昼に起きる生活ですけどね。

 大学卒業後、青山のデザイン事務所に就職。そこでは広告のデザインが中心でした。その後、父から「俺とやるか」と誘われまして。結局、父がやっていた事務所で9年間、机を並べて仕事をしていしました。

 父は、広告と雑誌と単行本を1:1:1の割合で行っていました。そこで徐々に単行本の仕事に触れていきました。

少しずつ単行本の世界を知ったという重原さんだが、広告や雑誌のデザインに力をいれるという道もあったはず。重原さんに書籍をやりたい、と思わせた本の仕事、すなわち装丁の魅力とはどこにあるのだろうか。

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編集者にとって書籍づくりは、多くのプロフェッショナルとの共同作業だ。著者はもちろんのこと、デザイナー、カメラマン、イラストレーター、校正者など多種多様の専門家の力を借りて一冊の本が出来上がる。本連載では、それら書籍づくりを支える「匠」に仕事に込めた思いを聞く。

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